我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

休養は大事(鉄)

今日で仕事納め。

定時に退社し、小山温泉思川へ。ここは鉄太郎の栃木県お気に入りスポットの一つだ。

♪おやま、おやま、おやまゆうえんち〜♪で知られた小山遊園地の跡地にあるんだが、建物そのものが風情があっていい感じ。

泉質もこの近所では良い方なのでは、と思う。何しろ湯から上がった後の湯冷めがないのがいい。かつて満喫した群馬や六甲の温泉は別格として、ここには合格点をつけて良いかと。

檜風呂、サウナ、壺湯、水風呂、源泉、といった具合に、大体一時間、時には間に休憩を挟んで一時間半くらいかけて入浴し、足腰を中心に全身の筋肉をほぐす。

道家には休みが必要である。

ことに社会人武道家は、日ごろ仕事と稽古の両立に神経を使っているのだから、休養を大事にするべき。

緊張と弛緩の配分が心身の能力を引き出してくれる。鍛えることと緩めることとは両輪と捉えておかねば、いつか必ずしっぺ返しが来る。

世間に流布する超回復理論に関しては、あまりも知識もないが、休養があってこそ心身はその能力を遺憾なく発揮し、また鍛錬により向上して行くものだ。

太気拳は内功を重視する、というが立禅も這も筋力は必要であり、腰の落とし方次第でかなりの負荷を足腰にかけることとなる。

一にも二にも、足腰を柔軟に強靭に練り上げなければ太気はできない。

強靭さと堅固さはちがう。“靭”とは粘り強さのことであるから、強く固いだけではなく、撓う(しなう)ような粘りがあって、初めて強靭と言える。

そして、そこに変化に対する柔軟性が加わって拳法に使用できる足腰が出来る。

身体はナマモノだから、一定の年齢を越えたら常に心を注いでケアしてやらないと、簡単に衰えてしまう。鍛錬と休息をワンセットでとらえねばならない。

肉体的な鍛錬について合宿で佐藤嘉道先生に言われたのは、次の二つだ。

☆三十代以上になったら、十年ごとに一年間かけて身体に焼きを入れなおすこと
☆焼きを入れる目安は、筋肉が張ってきたな、という程度でいい

焼きの入れなおしは時間がかかる。張り切りすぎると毎日続かないから、毎日出来る強度で休息を上手く入れながらやること、と教わった。

年明けから焼きを入れなおそう、と考えている。
もちろん、上手く休息を入れながら。

                   鉄太郎