我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

プロフェッショナル(鉄)

ひさしぶりにTVをじっくり見た。
NHK“のど自慢熱唱名場面”とTBS“輝く!日本レコード大賞”の二つの歌番組を観た。

“のど自慢”の名場面で視聴者からリクエストの多かったのが、盲目の高校生が演歌を歌うシーンだったそうだ。

彼の歌を聴いてみてびっくり。

情感・節回し・発声、すべてが完璧。最前列の観客など涙を流して聞き入っている。もちろん、判定は鐘三つの合格だ。

おとうさんの話では、彼は小さい頃から演歌が大好きで、何度も何度もテープが伸びるまで聞き入っていたそうである。

盲目の人は、他の感覚が恐ろしく鋭くなるというが、その鋭い感覚で捉えた節回しや情感、曲の心象風景を表現できるには、神様から与えられた声帯があってこそだ。

彼の魂は、自分が神様から与えられた才能を見抜き、そして歌う事に心から喜びを感じているのではないか、そう思わずにはいられなかった。

私も歌は上手い方だと自負しているが、所詮、カラオケで拍手をもらう程度のレベルで、上手く行って「のど自慢」で鐘三つもらえれば御の字、という程度のもの。間違ってもプロになろうなどとは考えたことなどない。

まず、時を忘れて歌を聴いたり、歌ったりすることなど思いもよらない。

プロの力量は努力だけで埋められるほど甘いものではない。

損得抜きに、その道が好きで好きでたまらない人間が寝食を忘れて没頭し、尚且つ、天分と運に恵まれたものだけがその頂点に立つことができる。

それがプロの世界。それなのに、ああそれなのに・・・。

“レコ大”で「歌唱賞」を受賞したアノ歌手!!!
鉄太郎