我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

太気拳はOS

金曜日は22時前に床に就き、8時間たっぷり眠りました。起床後、1時間ほど軽く稽古。やはり、朝稽古は屋外に限るな。

朝食を摂って都内で身体調整と遣い方についての講義。レクチャーを受けながら、自分で行う身体調整を3時間ほど行うと、8時間も寝たと言うのにまたもや眠気が襲ってくる。

寝た姿勢での調整法に移ったら、もうアウト!講師の先生の声を子守歌に眠りについてしまった。

小山に帰って早めの夕食を摂り休憩の後、臨時の土曜稽古。数か月後の奥入昇段候補のFさんと、Massimo君、そして私の三人で行った。

横面を中心にした各種打法と推手をテーマに2時間。昼間のボディーワーク3時間が効いたのか調子が良い。

身体が整うと入り方や打ち方のイメージがどんどん湧く。それは、戦闘法という体系的なものではなく、入れる空間が見つかる、という漠然とした伝えにくいものなのだが。

帰宅後も好調は続く。家内と昼の講習の復習をしたのだが、脱線して腕の遣い方の話になったので、武術で行うある動きを見せる。

すると、「それ(家内のダンスの)先生の動きだよ!」と驚きの表情。一生出来ないかも、とすら思っていた動きの糸口が掴めたんだそうな。

その先生はカナダ在住のダンスのマスターティーチャ―で、筋膜療法を行う治療家でもあるという。身体運動について驚くべき知識量と絶妙のコントロール力を見せる方なので、私も家内にいくつかそのトレーニングを教わって実践している。

マスターティーチャ―のモットーは「シンプル・クリア・クリーン」なのだという。あっと驚くような派手な動きでは無く、無理・無駄のない機能美が彼女のモットーであるようだ。

この点に関しては、私も目指すところは同じ。むろん私は身体表現者では無く武道人だからアプローチは異なるのだが、人間の身体を素材として居るという点で、学ぶべき点はある。

高木先生は太気拳はOSである、と表現されたが、まさに至言。太気拳と言うOSを違う角度からとらえ返すのも、時には良い稽古です。


まあ、軸さえブレなければ、ですけれどね。