我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

変化を愉しむ

先日久し振りに体重が80Kgを割った。稽古を過不足なくやって、飯をやや控えめにしているおかげだろう。

控えめにしているというより、味わい自分の細胞に聞きながら、美味しいと思える適量だけ食べる、という感じかな。

味わえば飲食の適量は身体が教えてくれる。


今までやや勢いで食べることが多かったのだろう。20歳代まではそれで良い。食べ過ぎても消化する体力があるし、基礎代謝も高いから燃やしてしまう。

私も基礎代謝は1900くらいあって平均的な高校生より高いのだが、それでも最近は力一杯食べると燃やしきれない。


かつては力一杯食べても、昼寝すると消化できていた。これも自然の摂理。成長が止まったのにいつまでも腹いっぱい食べるのはおかしいやね。高校生のころと比べると三分の一くらいかな。

適量にすると、美味しいという感覚が研ぎ澄まされてくる。食欲はバリバリあるのだから食の楽しみは失せていない。食事は毎回美味しく頂いています♪


最近の若い衆は、あまり食べないようですな。娘に聞くと剣道部の昼食会で安くて量の多い台湾料理に行ったのだけれど、顧問の先生が自分の高校時代の感覚で頼むと完食出来なかったという。

俺が同じ人数いたら、今でもそれくらい食べるだろう。若い人は、ガンガン鍛えてガンガン食ってくれよ。

いずれ食も鍛錬も、量より質重視に変わって行くんだから。


悪いけれど、飯もパワーもスタミナも回復力も駆けっこも、たぶん大抵の高校生より俺の方が上じゃないか?どれも当社比では昔と比べてだいぶ落ち着いてしまったけれど・・・。


別に昔を懐かしむ気は全くない。食も稽古も若い時期に量をこなしたからこそ、今、少しずつ「質」重視になって行くのを、心から愉しむことが出来る。これは「衰え」ではなく「変化」なんだから。


最近の稽古のテーマである剛から柔への転換も、これと似ている。剛はガンガン食ってガンガン鍛えるやり方。で、柔は質や方向性を突き詰めるやり方。剛をある程度突き詰めた方が、柔を存分に愉しめると思うな。

生涯にわたって実力を伸ばそうと思ったら、いずれ剛の割合は減らさなければいけない。でもねぇ、その変化を愉しもうと思ったら、やっぱり剛の稽古も出来るうちはやらないとイカンよ。