我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

除菌

月曜日のランチからの帰り道。家内と子供電話相談室の話になった。

昆虫博士の矢島稔先生が放送中に大激怒したんだと。

事件は質問者がビオトープについて質問したときに起こった。


質問者「ビオトープを作るのが夢なんですけれど、蚊とかハエとか来ないようにしたいんです。先生、どうすれば良いんですか。教えてください」


これを聞いて激高する昆虫博士!

先生「なにぃ!君みたいな考えの持ち主がねぇ、生態系をダメにするんだよ!!君はいったい何処の家の子だ!!

烈火のごとく怒りまくる先生。担当者はこの放送事故に慌てまくり、生放送がかもし出すペーソスに家内は笑い転げたらしい。

矢島先生は質問者の背後に居る嫌な大人の匂いを敏感に嗅ぎ取ったんだろうな。


さて、栃木は田舎であるだけに、ゆったりスペース&自然派素材の手作り料理を売りにするお店が多い。

田舎だから出来る。野菜だってオーナーさんが自分で作っているんだから。

でもさ、東京の二子玉川とかも同じような店がある。これって凄く違和感があるんだよな。

東京でそんな店に入ると、自分では絶対に土をいじらない除菌大好きおばさんなんかが、オーガニック礼賛しながらお食事あそばされている。

お前らが食っている○×県産無農薬野菜をニコタマに届けるために、どんだけ油を炊いて車が走り回っているのか想像してみろって!

まるで食物連鎖・購買連鎖の頂点に立ってますっていうツラで、自分の手を汚さないライフを死ぬまで全うする連中の、薄っぺらい表情が私はとても嫌いだ。

私は一応大企業というヤツに勤めているので、無自覚に生きてしまえば、社会の上澄みだけ啜って生きているこういう連中と五十歩百歩になりかねない。

損はイヤ、きついことは嫌い、痛いことはダメ、失敗はしたくない・・・肥大化した前頭葉と萎縮した本能を併せ持つ除菌人間は私の周囲にもたくさん居る。

こういう除菌人間に私が抱く嫌悪感は、矢島先生が子供の発言の向こうに見たであろう周囲の大人の歪んだ価値観とそれへの怒りに、相通ずるものがあると感じた。

除菌人間は、除菌除菌言っているうちに、その除菌ライフゆえに早くから老け込み、今度は自分自身が小汚い年寄りとして自分が除菌を教え込んだ若い世代に“除菌”されることだろうね。


死ぬまで除菌・除菌言ってろって!