我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

怪我と“気”

膝の古傷を再発させてお休みされていたAさんが、2か月ぶりに復帰されました。私も膝の怪我は何度かあるのだけれど、ここをやっちゃうと「もう終わりかな?」という恐怖がありますね。

大きな怪我をしたら、場合によっては完全な原状復帰は出来ない事が多いです。しかし、人間、そういうことがきっかけで足りない所を補おうと別の能力が目覚めたり、大いなる気付きが芽生えたりすることもあります。

後に世に認められるメソッドを生み出すことになった身体運動家のなかには、そういう方がゴマンと居るようです。そのあたりが人間の心身が持つ偉大な力のなせるところなのでしょう。

太気拳でいう“気”は、そういう人間の心身に潜む大いなる力を指していると考えます。

“気”は人間に自然に備わった能力ですから、不自然な生活や思考を繰り返していると顕現しにくいものではないか、と思います。それ=不自然な生活や思考がどんなことであるかは、繰り返し述べているので割愛しますが、現代人はちょっと油断すると、心身のそうした能力を削いでしまうような生活をしてしまうものです。

そうこう言っているうちに日付が変わりました。翌朝の気持ちよい稽古のために、不自然な夜更かしをしてはいけませんね・・・