我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

良い稽古

今日の稽古は全員参加。

練の身法の確認から入る。自然な動きと力の出し方を心身に浸み込ませることが、稽古であると、最近つくづく思う。

私の膝の不調も、不自然な動きが原因。治療家の先生と話していて、稽古で怪我した脚をかばって反対側に負荷を掛け過ぎたこと、そしてそれがクセになてしまったことが原因だろう、と言われた。たぶん、間違いない。

不世出の大力士双葉山関は、その現役生活の間、怪我らしい怪我はほとんどしなかったという。

怪我は“型”をはずれたときに起こる、と語っておられたそうな。型通りにやれば、相撲ほど怪我が少ない競技はない、とも。

昨今の力士の怪我の多さは、相撲の型をきちんと習得出来ていないこと、すなわち伝統的な稽古の軽視が原因なのではないか?

拳法の場合打突がメインとなるので、稽古での怪我をゼロにするのは難しいかもしれない。単に安全策に気を使うというだけでは、縮み思考になり、緊張感のある良い稽古が出来ない事になりかねない。

稽古をリードする者が安全策に気を使って極力リスクを減らしつつ、参加者が自覚を持って動きと心構えを作ること。

良い稽古をするには、そんな当たり前のことを常に意識して行くしかないのだろうなぁ。