我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

筋肉がついた

昨日の水曜稽古会では、先日の塾長講習会の内容を踏襲して太気拳の根本的な身法や発力について突っ込んだ内容となった。

具体的な内容については割愛しますが、稽古が終わった後、塾生の皆さんから質問がいくつか出て来ました。皆さん、それぞれにテーマを持ち始めているのか、自分のレベルとは関係ないような質問のための質問はありません。

色々と話が飛んで、いつしか身体の鍛え方に話が及びました。なんでも塾生のAさんは、最近鍛えているつもりはないのに筋量が増えてきたのだとか。

Aさんは「力み」と関係あるのでは、と考えてしまったそうです。「結論から言うとカンケー無いですよ」と申し上げると、他のメンバーも安堵して「実は私も・・・」と同じ体験を語りだしました。

私が支部塾生に話しているのは、これはバランスと呼吸に深く関係ある、と言うことです。まあ、立禅やら這やらをキチンと稽古すれば行き着く話なので、大袈裟なものではないですが・・・。一応企業秘密、ということで。

以前、空手雑誌に「チルは呼吸で鍛える」と語った沖縄の古老が居られました。チルとは沖縄の方言(もしくは空手用語)で筋=スジのことだそうです。この方は今もご健在だと思いますが、実に素晴らしい身体をされていました。

Aさんは、この「チル」が発達して来ているのではないでしょうか?と推測ベースで話をしましたが、私の経験からもおそらく間違いないと思います。

彼は今年のお正月から太気をはじめたばかりですから、まだまだ身体の変化は序章を迎えたばかりです。私自身、まだまだ自分の身体能力の向上は続くだろうと確信していますから。

こんな小さなことでも、いい方向への変化に気づくのは、愉しみのひとつです。ともに愉しく稽古して行きましょう!