我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

贅沢な稽古

塾生の立木打ち


快晴、とまでは行かないが結構太気拳日和な天気だったので、以前から思案していた三毳(みかも)山での稽古を実行に移すことに。

まずは県南体育館剣道場で13:00〜15:00まで稽古。

今日は立禅をやらず、準備運動のあと、腕回し練りを休みナシで10分ひたすら繰り返し。終了後、ダッシュの腕回し練で剣道場を4往復。

昨日の柴又稽古でブラジルの福島師範に延々と推手で“かわいがり”を受けているので背中が痛い。

続いて歩法を伴う当りの稽古、ミット打ちをひたすら繰り返す。皆、息が上がってきている。二時間経過したところで掃除をして前半戦終了。

後半戦は私が第二道場と呼ぶ三毳山へ移動。二人ともここは初めて。

「いやぁ〜、山登りなんてひさしぶりだなぁ」と呑気にはしゃぐM君とY君。へへへ♪はしゃいでいられるのはここまでだぜ。

50号側から一直線に三毳神社へ登る道は険しい。傾斜が厳しいため階段は恐ろしく急だし、階段がない場所もある。階段と獣道が並列しているところは、モチロン獣道を通る。

10分経たない内に、二人の顔から笑みが消える。私のペースは結構早い。話掛けても返事は「そうっすね」「ううぅ」「きつい」しか帰って来なくなる。

これが目的。山登り、しかも三毳のような急勾配は平地では鍛えられない“裏筋肉”を鍛えるのに絶好だ。都会ではなかなか出来ない贅沢な稽古なのだ。

登りながら「格闘技強くなりたかったら、指の力、ケツの力、呼吸力を鍛えろよ!」と話掛けるが、返答は「・・・」。ようやく鳥居の前に。「じゃ、ここから階段は小走りで登れ!と言いたいとこだけど、無理なら歩きで良いよ」

ここの階段がやたら急勾配なのだ。結局、私だけ走って登る。

山頂でしばし休憩。立禅はここで組むつもりだったが、二人の様子を見て断念。休憩後、山歩きをする。関東平野が一望できる。最高の景色だ。立木打ち、試声をやって下山。

下りは下りで、また別の負荷がかかる。足裏の感覚が養われ神経の鍛錬にも良い。最大の効果は呼吸力の鍛錬が出来ること。足の踏み方や呼吸の仕方で体が内側から鍛えられる。

個人的には、出来れば毎日ここを使って稽古したいのだが、残念ながら朝は7時頃開門、夕方は5時閉門となるため、休みの時にしか来られない。

ちなみにフルコン空手を稽古しているY君は「ランニング止めて、こっち(三毳登山)にします」と言っていた。

明日は二人とも筋肉痛が出るだろう。まあ、合宿前の強化訓練だ。お疲れ様でした。