我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

外家拳

起床後、午前中いっぱいを稽古に費やす。身体がきしむほどお腹いっぱい稽古出来ました。でも、公園で稽古を見ていた方達にはなぜあれで身体きしむのかは、分からなかっただろうな。

拳法の“技”の部分はあまり外では行わないから、何をやっているか分からんかもね。技の稽古は大体自宅の稽古ルームでやるから。


さて昼食後本棚を整理していたら、昔買ったあるムック本が。整理しようと思っていたのだが、いつもの悪い癖で読み始めてしまった(笑)。

なかでもある先生のコラムが読み応えがあり、結局捨てない事に。この先生のお話を要約すると、「内家拳は完成された姿であり、初めは外家拳のように立ち方を含めて外形をカチッと取り、力の出し方を訓練することが必須である」といったところか。

最初から内家拳の完成された姿で稽古すれば、戦えるまで時間が相当かかる、とも。全く同意です。


太気拳もいわゆる内家拳の流れをくむ意拳(大成拳)と日本武道の合作なので、同じことが言えるかもしれない(もっとも、同じ本に登場する別の先生は意拳太極拳と比べると、非常に早く戦えるようになる、と語っておられたが)。

私自身は空手の出身なので、外家拳的に定型を重視して伸びやかな動きで力を練る訓練の重要さは熟知している。それゆえ外家拳的な突きも自分の稽古では行うし、生徒にも教える。

伸びやかな大技の稽古を行うと、身も心もエネルギッシュになる。大御所ぶって省エネで行う稽古は十年も二十年も早い!


合同稽古は数稽古の場ではないので、皆さんの自主鍛錬にお任せします。やり方は教えますので “心を込めて” “丁寧に”稽古してください。立禅や這だけで太気拳は完成しません。

楽器奏者や職人さんが毎日道具に触れるように、武術家はその技を支える自己の身体という道具を、毎日コツコツと丁寧に手入れしましょう。