我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

強い拳法

いつも当支部の稽古に来てくださる方には、強くて立派な拳法をしてください、という話をしている。

忘年組手にあたっても、この思いは変わらない。

古本屋さんにあった剣道誌に良い言葉を見つけたので、紹介しておきます。


「歩」は「地」より下位であり、歩合が良いより地力で優っていなければいけない。また、うまく当てているだけの剣道は本来の剣道ではないいくら試合に勝ったとしても、地がしっかりした剣道でなければ、それはただ当てっこが上手なだけのこと。見る人に感動を与えるような強い剣道とは決して言えない
剣道日本 2008年9月号 佐藤成明範士


地稽古の心得を説いたものですが、ここでいう「歩」とは歩合稽古=試合稽古のことであり、佐藤範士は試合上手より地力を練れ、強い剣道を目指せ、とおっしゃっている。

ここでいう“強い剣道”を、“強い拳法”と読み替えて頂いて良い。


卑怯な闘いなら僕ちゃん負けないよ、というどうしようもないことを公言する恥知らずが堂々と武術を指導する嘆かわしい世の中ですが、我々太気拳は、観る者に「さすが太気拳だ」と言わしめる稽古をいたしましょう。

“強い拳法”こそが我々の原点です。