打撃格闘技と武術

　時々、合気系の方から「対打撃」について質問を受けることがある。神戸の兄弟・安部孝重氏率いるShin-Kobe 実戦合気護身武道で一応技術顧問なる立場でもあり、アドバイスさせていただくことも多い。

　また、私は比較的オープンに様々な方とお付き合いする方なので、手を合わせる機会もそれなりに多い。　

　組討・捕り手系の武術・武道実践者が打撃対応を考える場合、必ずしも打撃格闘技を学ぶべきとは言えないと思う。

　ちなみに武術・武道としての拳法（唐手・空手含む）は、私の解釈では打撃格闘技ではない。すくなくとも太氣拳は、打撃が主体とは言い切れない。

　打撃格闘技と武術としての拳術は、言ってみれば竹刀剣道と剣術のような違いがあるように思う。剣道では物打ちでの小手・面・胴・のどの垂れへの打突のみが勝負を決する。

　それに対して剣術は刃部のどこであってでも、相手を斬ればよい。否、もっと言えば斬らなくても対手が戦えない状態にすれば、それでいい。体術的な要素も多分に入る。生き残ることがすべて。同じことを行っているようで目的が異なるのゆえに、動きの原理が異なる。

　もっとも、剣道はもともと剣術が土台にあるし、刀法を意識して稽古する剣道家も少なからずおられるので、上記はかなり乱暴な分け方である。

　打撃格闘技は特に競技試合においては打突部位がかなり限定されるし、組打ち・もみ合い状態は不可である。一方で武術としての拳術は、打突は選択肢の一種でしかない。相手の攻撃も打撃であるという決めつけも、ない。

　ゆえにまったく違うものとして認識する方がよいように思う。どちらが正しいとか優れているという話ではないので、誤解なきようお願いします　（つづく、かも） 

 　太氣拳尚武館は、太氣至誠拳法（通称・太氣拳）を学ぶ武術・武道の道場です。武道初心者はもちろんのこと、武術・武道・格闘技で伸び悩んでおられる中級者以上の方も歓迎いたします。また、護身・健身（健康づくり）目的の方の参加もお待ちしております。稽古会場：小山市・栃木市・宇都宮市・上三川町。神戸市（支部）詳細は：http://taikiken-tochigi.jp/practice/

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＜太氣拳とは＞

　中国拳法の流れを汲む武術。創始者・澤井健一が立禅と命名した「ただ立つだけ」の独特の鍛練法を核とする。

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