我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

逆手 〜その1

日曜稽古会は屋外の予定でしたが、天候が不安だったので急遽、県南体育館柔道場に場所を変更。空いててよかった♪

おまけに午後も使えることがわかり、一日稽古会となりました。午前の稽古は練・推手・逆手(ぎゃくて)を。推手を稽古しておくと逆手の稽古にも生きて来る。

空手家や拳法家のなかには、俺はこの拳だけで十分、とか言うひともいますが、リングやコートの試合だけならともかく、殴る蹴るだけでは“実用”を考えた場合、不十分です。

実戦武術、を謳っていて逆手(捕り手、手解き)の一つも出来ないようでは、話にならないでしょう。

私が十代の頃、道場の外で多人数掛けをやって、お巡りさんの世話になったことがあります。相手が複数で恐喝の常習者だったため、“握って”いただきましたが、お巡りさんにお説教を頂戴しました。

「君ね、殴る蹴るは(捕まった時に)印象が悪いんだよ。黒帯になったら捕り手のひとつも出来ないとダメだよ!空手家の心得だ!君もね、合気道でもやりなさい!!」

小僧っ子の私に、モラル云々ではなく、いきなり武術家の心得について大真面目に説きはじめるナイスなお巡りさんに、乾杯!であります。

合気道には入門しませんでしたが、私が逆手を稽古するきっかけになったのは、このお巡りさんとの出会いも大きいと思います。

やはり人生、出会い・気づき、そして行動が大事なんだなぁ。うん。

(つづく)