我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

少し苦言を 〜 娘の一言

娘が質問がある、と切り出してきた。
「逆手とか護身術ってどこに行けば、習えるん?」


誰にモノを言っているの?太気やれ!・・・とも言いたかったが、それより質問の趣旨を聞いてみることに。


「いろいろな場面で対応出来る稽古をしたい。出来れば、昔の武専みたいに組打ちや抑え込みがある剣道をやりたいけれど、それは難しいから剣道は剣道で続けて並行して他の武術をやりたい」


お前・・・いいセンスしているな!(笑)


故・羽賀準一範士のお弟子さんの系列がそういう稽古をされているけれど、栃木に住んでいては通えないから、これは断念。

太気拳は女子高校生が稽古するには特殊すぎるので、「やるにしても、もっと稽古を積んでから考える」とのこと。


いろいろとキーワードを突っ込んでネットでHPやら動画を検索してみた。結局、しばらく剣道を続けながら長い目で検討することに。

動画やHPをいくつか拝見して娘が言った一言。「剣道の道場ってハズレがないんだなぁ・・・」


よく柔道・剣道・空手道などのメジャー武道を不当に低く評価する伝統武術の師範がおられますが、娘の本音の一言をお聞きになって、どう思いますか?


「試合と実戦は違う、組手とケンカかちがう」とはよく言われますが、喧嘩になれば競技選手だって反則技はバンバン出しますヨ。


私の居た空手道の団体も競技試合を行っていませんでした。

私自身について言えば、個人的に競技としての武道や格闘技の方と手を交える機会を作っておりましたし、その手の方とケンカも経験していますので「組手とケンカ云々」は正しい面も間違っている面もあることを、体験しています。

でも、どちらもやったことがない方が“それ”をしたり顔で言うのを聞いて、非常に違和感を覚えました。それはおかしいでしょう。


選手層の厚い現代武道とやり合うことなんか端から考えていないのに、伝統武術の優位性を宣伝して飯のタネにするのは噴飯ものです。


苦言を少し。

生徒さんからお月謝を頂く以上、先生方もきちんとお稽古をなさってくださいね♪