組手と実戦 〜 その2
前回、裏技について少し触れました。裏技って武道人はもちろんのこと、武道と何も関係ない人たちも使いますね。
武道では普段使わない・稽古でやらない技、その流派の主たる技術体系から外れた技術というくらいの意味でしょうか。急所攻撃など、気分良く稽古するには危険すぎる技が多いでしょうか。
空手だと目打ちや金的攻撃、逆手や指捕りもそれに入るのかな。
わたし的には、こんな風に考えています。表技は、技の筋道や地力を養成する稽古において用いるもの。そして、裏技は実戦で死命を制するための隠し味として用いる技術。
ごく一般論を言えば、空手や拳法なら打突と接触した際の崩しや投げくらいまでが表技で、指一本を取って折ったり、金的掴んだり、部位は特定しませんが全身に点在する急所攻撃は裏技。
裏技は決まれば効果は大きいですが、難点は二つある。
1.稽古で検証出来ない事
2.急所は素人でも本能的に避けること
前者はわかりますね。稽古で意図的に金的狙うヤツと稽古したくないもん。故意に仕掛けたヤロウは、私なら遠慮なく再起不能にしますよ。
後者は・・・専門家らしい口利くヤツでも分かっていないのが多い。二言目には急所とか武器とか言っちゃう人は、恥かかないように俺のブログで勉強しなさい♪習いに来ても良いけど、俺に講義とか解説しないようにな(笑)。
え〜と、本題に戻しましょう。
急所は素人でも避ける、って話ですな。談笑中にいきなり襲えば別だけど、戦い始まったら、金的も目も本能的に避けますよ。
股を閉じたり、目ぇつぶったりして。風吹いたら、目を閉じるでしょ?ドッジボールでも顔、避けるでしょ?冗談で首絞めると、首をすくめますね。それと同じです。
本気になった相手に技を決めるには“攻め”が無いと難しい。“攻め”は表技を正確に習得して正面玄関を突破する稽古を積んで、肚を練り上げて、初めて身に付くものですよ。
キチンとした基本技を練って、気合の漲った正々堂々とした推手・組手を稽古すれば、内面からにじみ出るモノが必ず出て来ます。
最初から急所云々言って“巾着切り”みたいな稽古していたら、絶対に“攻め”なんて身に付かないよ。“太”気拳稽古しているのに、せこいこと考えていたらダメだぞ。な?せこい稽古していると、顔がゆがんで人相が悪くなるぞよ。
(つづく)