我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

逆手 〜その1

今回の日曜稽古会は、屋外での稽古を予定して居ましたが、天候の不安があったため県南体育館の柔道場に場所を変更。

職員さんに確認すると午後も空きがあるとのことなので、急遽、午前・午後の二部制ということになりました。

午前は2時間半の稽古。練・推手・逆手を。先週のカレンバッハ師範の講習会、そして高田馬場の稽古でも逆手(ぎゃくて)について教示いただいたので、小山でも久し振りにやってみました。

逆手・捕り手・手解き・・・など色々と呼び名はありますが、ときどきはこんな稽古も大事ですね。殴る蹴るの稽古だけが拳法ではない。

“実用”を考えたら、捕り手は大事です。

十代の頃、多人数掛けをやって交番に連れて行かれたことがあります。相手が複数で恐喝の常習犯だったので“握って”いただきましたが、お巡りさんに「お兄ちゃん、いずれ黒帯になったら捕り手ができないとだめだよ。空手家の心得だよ」とご指導を賜りました。

はぁ、そうですか、と気のない返事をする私に、「殴る蹴るはね、印象悪いんだよ」と釘を刺す。相手が一人だったらヤバかったとのこと(結構綺麗に入っていたからなあ♪)。

喧嘩に勝って社会的に負けていたらしゃあないな、と。十代の私の心に、ズンと響いたのであります。

そんなわけでたまには逆手を稽古するようになりました。お巡りさんのお陰です。やはり人間、出会い・気づき、そして行動することが向上の秘訣ですね

(つづく)