我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

南山霧豹

「南山にいる玄豹(=黒豹のこと)は、7日間動かずにじっと霧に打たれ、ものを食らおうともしないそうです。それは毛を潤して文様を美しくしたいと思うからです」
(『列女伝』〈陶答子妻〉〜佐藤聖二先生『太気拳意拳研究ノート』より)

本日の稽古指導を終えて感じたことですが、深い所まで理解・体現してくださる門人さんがだんだんと出て来ました。何事もそうですが、一所懸命やってきた事に手応えを感じられることは、本当に嬉しいです。

太氣拳は〜というか本来武術全般に言えることですが〜精緻な身体のつながりを求めるので、ガンガンやれば身につく、とは言い切れないところに難しさがあります。お伝えする面での難しさ、そして習う側からするとなかなか確信が持てない、つまり「これで強くなれるのだろうか?」という迷いが出てしまう処に難しさがあると感じています。

でも今なら良い先輩が揃って来ているので、新しい方が増えても大丈夫です。なるほどこの太氣拳を稽古すれば先輩方のようになるんだな・・・とわかっていただけると思います。

運営の面では〜わかりやすく言えば生徒さんの人数では〜思うように成果を出すには至らず、同業者諸氏のご活躍を指をくわえて見ているような状況が続いて来ました。それは「じっと霧に打たれて毛を潤しなさい!」という天の声だったのかなぁ、とも感じています。

「じっと霧に打たれ」てみて、しみじみとわかったことが多々あります。それらは体験を通して身に染みたことですので、机上の空論とか理想論ではないのです。それを今後に活かしていく。
私は周囲の方々に、色々と助けていただきながら道場の運営をしてきました。支えて頂いた方達に「島村をサポートしてきた甲斐があったな!」と言っていただける存在にならねば男がすたる!そろそろ南山の霧豹のごとく黒光りする男になろう!と思います。