我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

日本国紀読了

憲法九条によって国の安全保障をアメリカに委ねてしまった日本人は、ただ「平和」を唱えていさえすれば「平和」でいられるという一種の信仰を持つに等しい状態となった。そして「武」を「穢れ」として忌み嫌う、平安時代の貴族のような思想を持つに至ったのである
百田尚樹 『日本国紀』)

百田尚樹さんの力作・『日本国紀』読了。

同書は通史ゆえ全てが網羅されているわけではないのだが、読み応えはあった。学術書ではないので、つつき方によっては色々と突っ込みどころもあるだろう。
しかしながら、
・日本には誇るべき歴史と文化があり、
・我々の祖先は勤勉で真面目な素晴らしい人たちであった、
ということを史実を交えて書き綴っている点と、
・日本人の持つ性向がどのように帰結したのか、
という考察について、いろいろと感じること・考えさせられることがあった。

特に冒頭の言葉については、全く異論がない。言霊主義の悪しき部分と、GHQの占領政策憲法の押し付け、WGIP、3S政策、教職・公職追放など)が相まって、日本人の誇りと文化はズタボロにされてしまった。

端くれとは言え武を伝える者の一人としては「ならばズタボロにされた誇りと文化を取り戻すために、自分はどのように行動・活動・発信していくべきなのか?」と深く考えさせられる次第です。

私見を述べれば、現代版・武士道の確立こそが急務であると思う。

念のためであるが、あくまで「現代版」である。社会の構造も、生活環境も、家族の在り方も、文明・文化も、科学技術も、他国との関係も、交通手段も、医療技術も・・・すべてが昔日と状況が異なるのだから、それに合致した哲学なり人間学を、現代版・武士道として再措定するのが良いだろう。そもそも昔日とは言っても、武士という階級が存在した時代においても、年代ごとに「あらまほしき武士の像」は異なっていたのだから。武士道については稿を改めて論じてみたい。

いずれにせよ、平成最後の年に「私たちは何者なのか」という視点で書かれた通史本が出版されたことに、大きな意義を感じる。何度も読み返してみたい。随所で作者の意見に自分の視点でツッコミを入れながら(笑)


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