磨き砂
心学というのは、神道であろうが儒教であろうが仏教であろうが、
いいところがあればそれを取り入れて自分を磨くために役立てましょうという考え方です。
〜中略〜
国境を越えて立派な教えが来たから役立てているというだけです。国境を越えたのだから
国境はいらないというのではないんですね
(渡部昇一『生き方の流儀』所収)
私が太氣拳を【和魂漢才の拳】として体得・体現し、世に問い、ゆくゆくは後世に伝えていきたい、と考えている所以はここにある。佳き日本人として自己を確立するための「磨き砂」の一つが私にとっては武道であり、その具体的な種目として太氣拳を表芸としている。
太氣拳は中国の意拳が源流であり、技法の根幹においては共通した原理原則に基づいている。もっとも、太氣拳と一口で言っても大雑把に言って
A)澤井健一宗師の伝えたやり方、外形を墨守する道場(および個人)
B)ほとんど意拳と言っていい体系を伝える道場および個人
C)上記AとBの中間に位置する道場および個人(「ブレンド」の割合はさまざま)
・・・のおおむね三種類に大別されるように思う。
私はいうなれば上記分類に従えばC)であるが、さらにいうと「和魂」の部分ではかつて学んだ日本武道の技法と思想、「漢才」の面において胡耀貞師の心意内功の系譜を引き継ぐ内功理論および実技、機能解剖に基づく動きのメソッド・・・といった学びから得た様々な切り口を通して太氣拳にアプローチしている、という立場です。
「漢才」の部分での学びを深めていくのはもちろんですが、単に大陸の後追いをするつもりはない。渡部昇一先生の言葉を借りれば「国境を越えて立派な教えが来たから役に立てている」ということです。で、どのように役に立てるのかと言えば、上述の通り「佳き日本人になるための磨き砂」なのです。
自身の修養に役立てるとともに、多くの方にこの素晴らしい文化遺産に触れて人生を豊かにしていただく。東洋人であり日本人であることに、誇りを持てる日本を孫子の世代にのこしたい。
そういう思いで、取り組んでいます。ですので、取り組み方は人それぞれでよい。いわゆる武的な事や格闘技的なことに興味がない方にも興味をもって楽しんでいただけるコンテンツをも、武の体系を基点にして創出・提供していこうと思います。
太氣拳尚武館は、太氣至誠拳法(通称・太氣拳)を学ぶ武術・武道の道場です。武道初心者はもちろんのこと、武術・武道・格闘技で伸び悩んでおられる中級者以上の方も歓迎いたします。また、護身・健身(健康づくり)目的の方の参加もお待ちしております。稽古会場:小山市・栃木市・宇都宮市・上三川町・神戸市(神戸支部)。詳細は:http://taikiken-tochigi.jp/practice/
太氣拳合宿・講習会・DVD教材のお申込みはコチラ(カート機能):http://taikishimamura.cart.fc2.com/
<太氣拳とは>
中国拳法の流れを汲む武術。創始者・澤井健一が立禅と命名した「ただ立つだけ」の独特の鍛練法を核とする。