我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

強さって?


今後の親父の診療のことで、病院へ。食事をきちんと摂らないというので、母と二人で食事を口に運ぶ。なだめたり脅したりしながら、なんとか、半分ほど食べさせる。

昔から超短気だったが、病気になってから我慢が利かなくなっている。肉体が強靭だったころはその強さで通した我儘が、今は通らない。そのことにも、苛立たしさを覚えるのだろう。

こういうときは、普段穏やかだった人間の方が粘り強く回復に励むことが、結構あるらしい。もっとも、急に地が出て我儘になるひとも居るそうだが。その点、親父はブレないというのか。


しかし強さってのは、なんなんだろうね。


国民的格闘技漫画の作者が主人公に言わせる有名なセリフ「ワガママを貫く力」が、強さの定義としては分かりやすい。

でも、ワガママつっても貫くに値しないワガママは、貫くためのモチベーションに欠けるわなぁ。自分の単なる思いつきやその場の気分によるワガママなんて、そんなの、ちょっとカベにぶち当たったら「やーめた!」になっちゃうだろ?


俺なんかもどちらかっていうと短気だったけれど、親父という強烈な反面教師がいて、高い壁になってくださる諸先生・先輩方がいてくださった御蔭で、ワガママのあり方を変えたね。

どうしても貫きたい【意志】が何か、その価値観さえブレなければ、あとはどうでも良いんだよね。

例えば俺の場合、家族と武道が最優先で、それをうまく循環させるために仕事があるんで、言うてみればやることやってキチンと飯が食えりゃあ、出世とかは二の次で良いの。

軽輩者扱いした奴らを見返したい!とかそういうルサンチマンは、ない。そういう軽輩者扱い、誰もしてくれません(笑)。

せいぜいが、社会的地位とか経済力とか、そういうところで【上から目線】をかます人がいるくらいでね。

そういうのはどうでも良いの。生身の人間力でねじ伏せられたら敗北感はあるだろうけれど、地位を振りかざしたって俺、「そりゃースゴイですね〜。んで?」で終わりよ。


大体が、全てに勝とうとか思ったら、ストレス溜まってしゃ〜ないわい。スーパー負けず嫌いの富山支部長も、家では一番弱いらしいからな(笑)。

いちばん喧嘩が強いヤツは、いちばん優しいヤツだと良いね。こういうバランスのとり方が出来れば、健全にわが道を行けるんだよ。


まぁ俺の人生、かなりストレスフリーではあるな。それでもまだまだ、真のワガママには至っていない。もっともっと、面白おかしく、そして強く生きて行きますヨ!