我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

葛藤を与えろ!

夕稽古のまえのリラックスタイム。YouTube で昔の歌謡曲を聞いています。

19のままさ(浜田省吾):http://www.youtube.com/watch?v=QEONV9T7P9Y
遠くへ(浜田省吾):http://www.youtube.com/watch?v=Jl-_VisVQvQ

こういう歌は最近少なくなった気がするね。ハマショー、カッコ良過ぎだろ。


つい先日同年代の知人と話をしていて「学生から携帯を取り上げろ」ということで意見が一致した。

俺たちの頃は、年頃になって女の子の家に電話をかける時に「親父さんが出たら嫌だな〜」とか「あの子の兄ちゃん、怖いんだよな〜」なんていう葛藤を越えて何とか鳥居をくぐる試みを繰り返したわけ。

いきなり親父さんが出て不機嫌な声で「娘に何の用ですか」とか言われちゃうなんて、日常茶飯事だった。

で、やっと電話が通じても長電話していたりすると、電話の向こうで親父さんが「いつまで電話を使っているんだ!」とか怒鳴っている声が聞こえてきたりしてな。

だから、短い言葉で心の距離を詰める工夫をしたね。

携帯で直通じゃあ、そういう試練すらないじゃん。お手軽恋愛では、男も女も成長しねえだろ。そのせいかして、二十歳くらいの若いカップル観ていても、倦怠期むかえたオッサン・オバハン顔している連中多いよな。

これは若い衆だけの責任じゃないぞ。何も考えないで携帯与える大人に半分責任があるよ。

携帯は、自分で稼げるようになった奴だけが使え!思いが届かない葛藤に立ち向かって、恋愛の喜びを味わえって!女の子の親兄弟は、恋愛障壁になれ!

うちの妹の旦那、こいつはエライぜ。「娘さんを下さい」を言いに来た時、うちの親父・俺・弟に対面して半泣きだったからな。腕力は俺の十分の一も無いけれど、こいつは男だ。

俺は女の子の父親として、娘に近づく男に対しては試練を与える。若人は俺を乗り越えてみろい。

葛藤・試練が無いところに、本当の喜びなんかない。そういう心の起伏が音楽や文学作品になるんでないかな。魂の高揚が無ければ良い歌謡曲だってなかなか出て来ないわけですよ。

武術も全く同じだな。葛藤を乗り越えて頂くべく、支部での奥入昇段者は漏れなく十人組手をプレゼント致します(笑)まあ、組手といっても稽古のひとつ。尊厳をむしり取るほど打つわけじゃないんだから、必要以上に恐れることはない。


ところで冒頭の映像、2分55秒過ぎに石原さとみちゃんが携帯で話し始めちゃったのは、返す返すも残念じゃ。

今度ハマショーの曲でイメージ映像作る時には、俺に相談してくれないかなぁ・・・(笑)