我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

対応力 〜その1

先般の山形合宿からの帰りの電車でのはなし。

「・・・ところで、合宿の飲み会、凄まじかったですねとくに前夜際、あれには正直、ビビリ入りましたよ」とma-simo君。

たしかに体育会系そのものだったからな。気持はわかる。しかも、彼は末席の方だったから、結構プレッシャーを感じたようだ。ま、さらに若い山形の星・すがっちがすべてを背負ったのだが。

ma-simo君は酒が飲めない。私も下戸だから分かるが、体育会の飲み会で下戸の下級生は地獄である。ハッキリ言えば、体育会的な飲みは悪習である。 ・・・一般論としてはね。まあ、小山ではやらないと思います。

だが今回、私はあえて加担した。なぜか。ひとつには、自分が経験しただけに、人間関係も含め、状況がヤバくなったら止めるタイミングもわかっていることがある。←これが出来ない奴は、調子くれた飲み方しちゃだめだぞ。

もうひとつは、彼に理不尽さを含めて“対応力”を学んでほしかったということがある。同君は気持ちの優しい男であるが、その良さを保ったまま肚決めが出来るようになれば、(今でも実力はあるけれど)大化けすると観ている。

単に武道人としてだけではなく、自営業者で次期社長である彼にとって、こうした対応力は最重要な資質のひとつである。

上に立つ者は、酒の飲み方・断り方、さらには飲めなくても酒席を楽しみ周囲を楽しくさせるということも出来なくてはならない。

酒が激弱の私でも体育会で4年間過ごし、社会人になってからも非常にワイルドかつ理不尽な“さる業界”のお方達相手に営業を務めていた。下戸の私でも30歳前までは、理屈の通らない連中相手に、ほぼ毎日飲んで居たわけ。

取引先と飲んだあとで、飲酒運転で引っ掛からないように空地やパチンコ屋の駐車場で仮眠をとり、仮眠のつもりがそのまま朝になっていた、なんてことも数知れない。

性質の悪い業者と揉めて“関係者”に軟禁されたこともあるし、若気の至りで爆発して取引相手をボコボコにしたこともある。もっとも、大抵は下げたくない頭を下げるのだが・・・。

結局営業員としての資質の無さを見極めた私は、今はカタギ相手のごく普通の職場に勤め、枕を高くして寝ている。当時を思えば天国だな、今は♪

ma-simo君に私と同じことをやれ、とは言わない。飲酒運転云々にしても、私はたまたま運が良かっただけ。ペナルティの重さを考えたら、今、同じことをやったらアウトだ。取引先をボコるなんて、もってのほかだしな(笑)。

酒に至っては、弱いもんは強くならない。酒が強くなるヤツは最初からその資質があっただけです。体育会やら危険な業界とのお付き合いを通じて、努力した私ですが、相変わらず弱いままです。

武術は鍛えれば強くなりますが、酒は体質です。でもまあ、酒が弱いなら弱いで“切り抜け力”“打開力”を磨けっつうことだな。

打開力こそ武術、といっても良いかもね。

(つづく)

追伸)
山形合宿は、たまたま濃いメンバーが集まってスパークしただけです。ちょっとヤバイ瞬間“も”あった、ということで、全体としては和やかで楽しい飲み会でしたよ♪
至誠塾の通常の飲み会では、ヤバイ局面はございませんので、皆さん、積極的に飲み会には参加しましょう。てへ♪