我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

推手

最近の稽古会のメインは、立禅の体構え・打拳(単練・ミット)・推手。ちなみに小山支部では、打拳の稽古は直突きと連環打法(と勝手に命名)の二つを行っている。前者は一般的な打法、後者は太気拳的身法で行う打法であると、取りあえず分類して双方を行う。

まずは単独練習を行い、ミットで基本打ち・掛り稽古方式で練る。途中で休憩をかねて注意点を伝えますが、これをある程度息が上がるまで何度も行うと、自然に力の抜き方や脚の運び、呼吸の整え方が身に付きます。

気温が上がるまで組手はやりませんが、この稽古で身体を練っておきましょう。

それと推手ですね。先般もちょこっと書きましたが、触れている手をなんとかしようとする稽古では無く、相手と自分をコントロールする稽古です。

競技では無い。「技」の競い合いとはちがうんです。決められたやり方に従って技を競い合うのが競技であり、身を全うするのが武術。私は競技の推手は稽古したことないし、当然行わない。

体構えと空間を維持し、攻めを利かせて居れば“最終的に”体重差や体力差で推されるのは問題ありません。体構えを崩さなければ、身を全う出来る。

組手でも同じ。組手では下がってはダメです。さがったら、負け。特に目方がある者・背丈があるものが、そうでない人間を前にして連続三歩さがったら、それだけで完敗ですよ。下がる、ってことは攻め負けているってことですから。

下がるのではなく、はずす、あるいは間を切る、のならOK。両者の違いは体構えと空間の維持です。そのためには、キチンと利く手と強靭な体幹部・足腰を練るしかない。これはですね、逃げの推手や競技推手やっていたら一生無理(キッパリ)!

焦らずじっくり行きましょう。功を焦って出来ないことに目をつぶって見ぬふりしてもしゃあないですから。