我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

護身と健身

本日の日曜稽古会の参加者は4月入会のMさんのみ。ということで、本日はMさん限定メニューでの稽古となりました。

太気拳至誠塾の9級教程にあってMさんが稽古していない伏虎椿、そして揺りを凝縮した試力から稽古を始める。

そこで得た感覚を半禅や他の動きに展開する稽古を一通り。先日から行っている両手を使って打つ稽古をミットも交えて行い、推手、掌打あわせ、最後は立木打ちを軽く行って終了。

いい機会なので、私自身もMさんが太極拳で行っている身体を緩める稽古を教わりました(Mさんは太極拳の先生もされています)。

Mさんが帰り際に一言。「いやぁ、今日は贅沢な稽古でした」。お世辞でもそう言っていただけるとは、嬉しいことです。

三十代の頃大病をわずらい、そのリハビリで健身・表演の太極拳を始めたられたMさん、努力の甲斐あって健康体を取り戻したとか。で、そうなると欲が出てきて、武術として拳法にも取組みたいとの想いで太気拳を始められたそうです。

そんな経緯があるからか、動きに関しては端折らずキチンと取組まれているのが良く分かります。「健身を指導する者が、自分の身体壊しては駄目ですから」と言われていましたが、全くその通り。

太気拳も稽古生個人の考え方でかなり取組み方が異なると思いますが、少なくとも身を護るための稽古でつまらない怪我をするのは違うな、と感じます。そんなわけで、出来るだけ丁寧に体・技・心を作りながら組手へと繋げて行こうと考えています。

支部塾生同士では当面組手をさせず、私が受けるカタチですが、入会後1年経過者の二人は防御が上達し、そろそろ稽古生同士で組手を出来そうなところに来ました。

これからの伸びが楽しみです。丁寧に稽古をして行きたいです。