我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

仕事の次に嫌なもの

後輩のK君より、奥入への昇段に際して行われた10人組手の映像を送ってもらった。まずはお疲れさんでした。きっと、いい経験になったでしょう。

本来、至誠塾では奥入への昇格は概ね修業年数で決まる。大体、3年強といったところだろうか。そのくらい継続して稽古すれば、心技体の基礎が身に付く、という意味合いなのでしょう。

私の理解では、基礎が身に付く、とは太気拳で培ったものが一定の精度で組手で出る、そして、ある程度戦い方が分かって来ており、重心とバランスを崩さずに動ける、というところだろうか。

もともと義務では無かった10人組手を行うようになった発端は、「(支部塾生第一号の)M君が奥入になる時には10人組手をやってもらう」という私の発言なんだそうな。これに刺激を受けた人たちがやることになった、というわけ。

当の私は奥入を頂戴する際には、なにもやって居ないんだけど(笑)。もっとも、昇段する以前から10名以上の連続組手は何度もやっていることなんで、自分の門下生には遠慮なく申し渡しているわけです。

なんと言ってもね、我が畏友の言葉を借りれば“天下の黒帯”ですから。黒帯ってのは、流派や団体の名前が金文字で入っているわけじゃないですか。いわば、“金バッジ”ですな!

だからその重みを身体で知るための儀式ですね、10人組手は。30歳代なら、それくらい出来ないと、おいら高木塾長に「奥入をあげてください!」って言えないよん♪

ま、これだけ自分の生徒に発破掛けているんだから、私が将来昇段するようなことがあったら、いえいえ、昇段云々はさておいても、高木塾長が「やれ!」と言ったらやります。弟子にそこまで言っておいて、まさか親ビンが「組手いや!」は通らないでしょ?大体、会社で仕事出来ない幹部や役員がいたら、一般社員は仕事なんかやらんわな。

わしゃ、見かけは可愛いけれど、“クチ太気”は仕事の次に嫌い!なんです。

※仕事嫌い云々は冗談ですよ。念のため