我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

出稼ぎ

昨年A国での仕事で一緒だった友人でフィリピン人技術者のLさんが来日していると聞き、連絡を取りました。うまく連絡がつき、小山駅西口の近くにある「鳥の店 いっちょう」でささやかな夕食を開く。

Lさんは、今年から首都に移り住んだとのことだが、相変わらずのお国柄と国民性に悩まされ続けているのだとか。

交通機関が信用できない、インフラはオンボロ、国民は盗人が多い・・・などなど、3か月しかいなかった私も色々と悩まされました。

天然資源が豊富にあってそれらが国有化されているために、大した産業が無くても政府は潤っている。そのため、生活保護を手厚くすることも出来る。現政権の支持率が高いのはその生活保護の手厚さゆえ、と言われている。

そして宗教がホニャララ教であるということもあいまって、国民に勤勉なものは少ない。ホニャララ教の教えを拡大解釈すれば、富めるものから盗むのも罪にはならないらしい。

あ!先日すでに神様の名前まで書いていましたっけね!ホニャララの意味がなかったなー。ま、いっか。失言はいつものことだし、嘘は言っていないっすからね!

Lさんも靴やらプロジェクトの記念に貰ったペンやら、よく盗まれていたからね。しかも、盗人のくせにアジア人を見掛けると「シノワ(中国人)!アリババ(泥棒)!」と悪態をつくんだから、ふるっているね。

私は現地での最後の仕事日と出発日に悪態ついた現地人捕まえて、蹴りをぶち込んで「シノワじゃない、ジャポネ(日本人)だ!アリババじゃない!サムライと呼べ!」と説教してやりました。良い薬ですよ。

残念ながら中国人はどこでも評判が悪いですね。今度後進国に出掛ける時には、日の丸入りのシャツを着て行くことにします。

・・・とまぁ、ごく一部だけ書き出して見てもことほど左様に困った国で数年間勤務しているLさん、本当にお疲れ様なのであります。ホニャララ教の国ゆえに酒の入手も容易では無いということで、今日だけはしこたま飲んで頂きました。

そうそう、フォローしておくと、A国の社会体制はずさんで困った国だし盗人も多かったけれど、フレンドリーで優しい人間も多かったですよ。何かと世話を焼いてくれるし、喫茶店に入っても、日本人だと言うと色々と聞いて来るひとが多かったですね。

ブルース・リーのことを聞かれてブルース・リーはお前らの嫌いなシノワだぜ」というと、ヤツら、ショックを受けて居ました。ある面で非常に純粋なんでしょうな。

そんなことを話しながら、あっという間の2時間半でした。

Lさんは自国に帰ればかなりの高額所得者だそうですが、それもこれも海外へ単身赴任で出稼ぎ技術者を続けて来ているゆえ。いろいろな国を渡り歩いているのです。

我々みたいな良い環境で仕事して居ながら、やれストレスだ、やれパワハラだと騒いでいられるのは幸せなのでしょうね。足ることを知る、という気持ちを持たないといかんですね。

不平不満が湧いて来たら、Lさんの御苦労に想いを馳せることにします。