我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

ようやく来ました

“武術週間”の最終日となった本日、県南体育館柔道場が取れたため、推手と練の腕の遣い方を応用した“組み”への対応、そして富山で習った稽古の復讐を兼ね、転倒してからの対応法を中心に稽古を進めました。

この半月ほどに考え、学んだことの総括と言うべき稽古でした。

私が佐藤嘉道先生のご著書『拳聖 澤井健一先生』を初めて手にして以来、27年間という年月が経過しました。もちろん、この書のみを自己の武術修行の指針として居たわけではありませんが、大きな大きな柱と成っていたことは間違いありません。

少なくとも、一番長く向かい合ってきた武道書と言って良いでしょう。そんな私の“バイブル”に書かれたある一節があります。

以下引用=================================

・・・これからは徐々に剣や寝技を身につけていこうという心構えでいるのである。太気拳の禅、這を主軸に、ほかのものを学び取る時間はあるはずである 
(P116、先生の寝技)

以上、引用終わり=============================

佐藤嘉道先生と自身を並べて論ずる無礼をお許しいただけるのならば、ようやくこの言葉が心に響くところまで俺もたどり着いた、というのが偽らざる実感なのです。

佐藤先生が剣道を始められたのは40歳を過ぎてからであると、ご本人にも御実弟佐藤哲通教士にもじかにお聞きしました。

私も今、同じ年齢に達して同じ道を真似ごとながら歩ませて頂いています。

下手くそながら竹刀を握り、先生方に励まされて先・攻め・不動心の稽古を心掛けている次第です。寝技も、武友・小島善雄氏の指導を受け、これもほんの真似ごとですが少し始めました。

明日より通常の日々に戻りますが、この10日間ほどは、自分の稽古・研究と指導、そして歩むべき方向性の見直しなど、武術のことだけに没頭出来た贅沢な時間でした。

最後に佐藤先生の文章をお借りして、自らの心境を述べさせて頂きます(緑太字部分)


少なくとも高木先生の年齢まであと14年、佐藤先生の年齢まではあと24年残されている。無駄で無意味な時間を節約していけば、必ず武の奥義に近づけるのではないか、これが私のささやかな人生の目的でもある。


このような道を与えてくれた天に、導いて下さる師に、ともに歩んでくれる武友たちに、理解して支えてくれる家族に、そして私を生かしてくれている周囲の全てに、感謝です!!