我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

原点


以前も書いたかも知れないが、私が“太気至誠拳法太気拳)”の名前に初めて出会ったのは、中学2年生の時に出版された『拳聖 澤井健一先生』(佐藤嘉道著、スポーツライフ社)である。

少年時代の私が太気拳に惹かれたのは、その技術もさることながら、武の原点を見つめ続けるかのような澤井先生の面魂に打たれた感動によるところ大でした。

澤井先生に直伝を受けることはかなわなかったものの、その精神の本質部分は追及して行きたいと、常々思っています。それがあってこその太気拳だと考えるからです。

武道に対してどこまでも真っ直ぐな姿勢を貫いておられたであろう澤井先生の生き様の本質に、どこまで我々が迫り得るかは、わからない。時代も違う。澤井先生と全く同じことを行えば良い、というわけではないだろうと思う。

一つ一つのエピソードを真似して悦に居るのではなく、やはり、島村は島村の太気拳を作るために、七転八倒するべきでしょう。あくまで俺は俺なんです。

本当に、大幸運に恵まれて良き師、良き武友、良い生徒、そして理解ある家族に囲まれるている私です。この環境を与えてくれた“天”の意志に報いるべく、私も原点を見つめて歩んで行きます。