我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

体・技・心

稽古が終わってから「あ!これやっておかなきゃ!」って思い出す事がある。そんな時は、私は帰り際に体育館の駐車場で指導する。東京と違って駐車場も広く、ちょっとした稽古なら他人に迷惑かけずに出来るのがいい。

さて、昨日の稽古の際も、前日の柴又稽古で出てきた“燃えよドラゴン”のワンシーンの話を思い出したので、早速、駐車場横の木陰で稽古。

技自体は特に難しいものではなく、首里手系の空手を1〜2年やった者なら必ず型稽古でやっている抑えからの裏拳。示技の後、塾生に相対稽古で試してもらう。

現役で空手を稽古しているY君は、興味持って試している。ピンアン(平安)の型の中で出てくる動きだから取り立てて珍しい動きではないが、普段の組手稽古ではあまり出てこない動きだけに、間合いに戸惑っているようだった。

裏拳、手刀、弧拳など通常の組手ではあまり出てこない技も、護身の場では有効だ。これは、多少は“実地”で試しているので、確信を持って言える。

まずは小手先ではない確実な地力をつけてもらうのが先決だが、太気拳は武術だから初心者は初心者なりに、常に刀は研いでおくことが必要だ。

また身体操作という面でも、これらの技の稽古は普段使わない筋肉を使うだけに、より応用の利くカラダ練り上げる効果もある

高木塾長は常々「体・技・心」ということを強調される。丁寧に自分の体と技をを研ぎ澄まして行く過程で、心が養われてゆくということなのだろう。