我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

達人ルールスパーリング

日曜稽古会後に、帝都にて強い方々と組手してきました。
武友の川嶋佑先生(武術空手孝真会主宰)が12/24(日)にプロ興行『達人VI』のリングに上がります。

試合出場のきっかけは「空手の基本と型に出てくる武術的技法を実際に試してみたい」という、ありそうでその実あまり聞かない、そんな理由だそうです。

考えてみれば、フルコンタクト空手にしろ伝統派と呼ばれるポイントルールの試合にしろ、技の使用と勝敗のポイントについて相当な制限があります。また競技として相当高度に発展しているため、競技での勝敗にこだわった修練に全てを懸けないと、とても勝つことなどできない。

手技による顔面攻撃無しの空手の試合で「顔面のガードは!」と指摘することや、ポイントルールの選手に「そんな突き方で人が倒れるか!」などと言うのは、筋違いというものです。ただ、私個人としては「空手のアイデンティティは?」という感想を持つことがあるのも、事実です。

で、達人ルールですが、顔面への正拳や鉄槌はもちろん、組技や踏みつけ、さらに金的(!)など相当に許容範囲がある、いわば「過激なルール」です。眼に指が入る危険性を考慮して開掌技法は制限されているようですが、たしかに通常の競技試合では出しにくい武術的な技法の有効性を検証するには、適したルールだと思います。

ただ、武術的技法の稽古は急所も含めて狙うため「ガチ」では行いにくい。稽古を「ガチ」で行ってはダメだと思います。武術の技を「ガチ」で使用したら、毎回怪我人を出さなきゃおかしい。そんなことしていたら稽古会が成り立ちません。それゆえ、威力をセーブしながら行います。出来れば世間で言う寸止めではなく、当てる瞬間に関節のコントロールで「当止め」を行いたい(それなりに高度な技法です)。
武術の稽古が成り立つためには、お互いが経験に基づく「想像(想定)力」がないと無理です。自由攻防で威力を制限したり、流派によっては自由攻防の稽古をしないこともある。そこに武術の陥り易い落とし穴がある。

検証するというのは簡単ですが、鍛え抜いた相手とガチで危険な技法をぶつけ合う試合に出場されることに、私は敬意を覚えます。そんなこんなで川嶋先生の呼び掛けに応じて、私もスパーリングパートナーとして川嶋先生を始め、各流派のツワモノとお手合わせさせていただきました。

稽古内容は武術家にとっていわば企業秘密ですので詳細は言及しませんが、お互いにコントロールしながらも各流派の特徴を出して、かなり充実した稽古を行うことが出来ました。
お招きくださいました川嶋先生、およびお手合わせ頂きました皆様、ありがとうございます!!

<出席者(順不同)>
川嶋佑先生(武術空手孝真会主宰)、小川正人先生(躾道館支部長)、竹内一馬氏(ジークンドー指導員)、野沢靖尚氏(ムエタイ)、中台満氏(極真増田道場指導員)、井上浩氏(中国拳法)、I氏(顔出し不可、空手、ボクシングなど)、島村(太氣拳尚武館主宰)


太氣拳尚武館は、太氣至誠拳法(通称・太氣拳)を学ぶ武術・武道の道場です。武道初心者はもちろんのこと、武術・武道・格闘技で伸び悩んでおられる中級者以上の方も歓迎いたします。また、護身・健身(健康づくり)目的の方の参加もお待ちしております。稽古会場:小山市栃木市宇都宮市上三川町。神戸市(支部詳細は:http://taikiken-tochigi.jp/practice/
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太氣拳とは>
 中国拳法の流れを汲む武術。創始者澤井健一が立禅と命名した「ただ立つだけ」の独特の鍛練法を核とする。

太氣拳とは(詳細版):http://taikiken-tochigi.jp/taikiken/

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