我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

気について

蹴りの捌き


栃木に引越してきてからは、毎朝外での立禅が日課であることは繰り返し述べている。川崎に居た頃は、太気拳の朝稽古は居間でやっていた。当時も土日祝祭日には森の中でやっていたけど、ご近所ではないので平日は室内だった。

言い尽くされた感があるが、太気拳は“気”を重んじる武術ゆえ、屋外で自然の中で稽古するのが良い。

大雑把に言えば、“気”は東洋哲学では万物の根源とされ、エネルギーとも波動ともいえる存在と考えられている。

太気拳では気は「防禦あるいは攻撃のとき、無意識に無理なく体全体から出る瞬間的な爆発力」(『実戦中国拳法太気拳』より)とされている。何じゃ?そりゃ!?という方も居よう。

ま、現代語にすれば「生命体がすべからく持つ生命維持機能の発動」、とでもするべきだろうか?自然な心身がもたらす生命活動としての反射・反応と言っても良いだろう。

太気の稽古の半分以上が、この「気」を練る内功である。よって、より自然に
近いところで稽古する方が、「気を練る」のには良い。

もちろん気を練ってからあるいは並行して、その表現である「技」を学ぶ。はじめに技ありき、ではない。太気拳は体の奥深いところから変えて行き、対応能力を上げることで、結果、何が起きるか分からない戦いでのリスクを減らして行く。