我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

本日の稽古

立禅・揺の後、東京でもやっている“膨張と収縮”の話を。この感覚を利用して全身に神経を張り、感覚を立体的につなげて行くヒントを話す。

身体各部は密接に繋がっており、それを連動させて遣うことが不可欠であるが、言うは易し行うは難しだ。なんとなれば、身体各部位で大きさは違う、そして神経のつながり方も違うからである(『太気拳で挑む』参照)。

引き続き、手の末端をキッカケに開合の動きでの全身連動と、それに基づく掌打の身法を稽古。さらに中段の迎手(むかえて)への展開を示教。中段が出たら上段も、ということで外→内の腕回し歩行の前進後退。

上肢各部の関節の連動、そして歩法と身法との組み合わせで、動きの立体感を稽古する。この立体感のある動きが、太気拳の全局面対応を生み出す。

迎手の応用による蹴りの受け、掌打合わせ、推手と相対稽古でシメ。

太気はシビアな顔面攻撃で知られるが、太気拳の稽古は、必ずしも世間で言う打撃技とその対応のみに限定されるものではない。顔面・顔面と喧しいが、いかに守るべきところを守り、攻めるべきところを攻めるか。コレに尽きる。


追伸:プロレスの神様カール・ゴッチ氏が亡くなられました。享年82歳。18年前、二十歳の頃にお会いして、ごく短時間軽く組ませて頂き、還暦を越えたとは思えない力強さに驚いた思い出が有ります。ご冥福をお祈りいたします