巨星墜つ 、、、
久しぶりのブログ更新ですが、悲しいお知らせでのスタートとなります。
私の内功法の師である星野稔先生が、5月28日午前五時ごろ癌のためご逝去されました。ご逝去の当日、星野先生とは旧知の間柄で、私のもう一人の師である小用茂夫先生より、お話を伺っておりました。しかし、もうすぐひと月経とうというのに実感がわかない状態です。
星野先生とは、2010年に人体科学界の合宿で出会い、2014年ごろより定期的に教えをいただくようになりました。
関連記事: http://superbody.hatenablog.com/entry/20130901/1378107551
1947年栃木県足利市で生を受けました。東京外語大学中国語学科を卒業されました。工場勤務中に重度のぜんそくにかかり、それを機に岡島道場にて健身法・強健法(ヨガ・野口整体)を学ばれました。
1977年岡島道場指導員。1982年北京体育学院に留学、日中太極拳交流協会主任指導員となり、馮志強老師より渾元太極拳を学び、85年より気功養生学を提唱された焦国瑞老師より学び、日本気功養生学会会長を務められました。
馮先生・焦先生を通じて胡耀貞派の心意内功を深く学ばれ、とくに焦国瑞老師からは王薌斎の意拳の由来の内功をも学ばれました。
温厚で芯の強い寛容なお人柄、そして深い見識と実技をもってお導きいただけたことを、心から感謝しております。
中国語が大変に堪能であられたため、馮志強・焦国瑞という大先達の教えを深いところで捉え、体現されていた数少ない傳人であったことと拝察いたします。
初めて教えを受けてから10年、定期的に学ぶようになってから6年ほどのお付き合いでしたが、本当に得難い、金銭では替えられないようなことを学ばせていただいた、と感じている次第です。
幸い、講義のメモや映像・ご著書などは手元にございますので、黙念師容(師の在りようを心に念じて練功する)を心掛け、先生の伝えたかったことを少しでも血肉と化し、また志ある方にお仕えできれば、と考えております。
恩師のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
太氣拳尚武館は、太氣至誠拳法(通称・太氣拳)を学ぶ武術・武道の道場です。武道初心者はもちろんのこと、武術・武道・格闘技で伸び悩んでおられる中級者以上の方も歓迎いたします。また、護身・健身(健康づくり)目的の方の参加もお待ちしております。稽古会場:小山市・栃木市・宇都宮市・上三川町。神戸市(支部)詳細は:http://taikiken-tochigi.jp/practice/
太氣拳DVD教材について(カート機能):http://taikidaikokudo.cart.fc2.com/
<太氣拳とは>
中国拳法の流れを汲む武術。創始者・澤井健一が立禅と命名した「ただ立つだけ」の独特の鍛練法を核とする。
☆太氣拳とは(詳細版):http://taikiken-tochigi.jp/taikiken/
☆お問合せはこちら:http://my.formman.com/form/pc/AntTny9AIWHChfRQ/
局部の方法ではない
拳とは力を奮い起こすことである。局部の方法ではない(意拳創始者・王薌斎)
今回のCOVID-19の件で、人間の陥りやすい思考パターンなどを観察させていただいている。
稽古に参加していただいているお医者さんより、COVID-19についてお話し伺った。
医師会でも、危険度の認識については上方修正するべきという方向性である由。
例えば致死率。インフルエンザの0.1%よりは高くて、1%くらいに見積もっていると。ただし、亡くなるのは高齢者や基礎疾患を抱えた人がメインであろうとも。
特効薬は無く、対策としては免疫機能を十全に発揮できるようにして、健康を損なわぬことが基本となる。
つま、何か特定の食品や栄養素を多く摂ればいい、とかのことではない。
恐らく中学校の保健体育の教科書の要点を6〜7割押さえておけばいいのではないか、と感じる。
要は、人間の身体の機能の本質を理解して、そこに沿った活動を行っていれば良い。あとは多少はウィルスの特徴を知って、普段よりは衛生管理に気をつけるくらいか。
さて、冒頭の王薌斎老師の金言。
今の私のレベルで解釈するならば、次のようなことを語っているのではないかと思う。
「効率的かつ安全に人間の心身の力を奮い起こすことこそが、武の本質である。
こう来たらこう避ける、こう打ち返すとかの方法論は、可能性の一面を切り取ったもの(=局部の方法)である。その現象のみを追いかけても、武の本質には到達し得ない」
当時にあっても「局部の方法」をもてはやすのが、世間では主流であったのだろう。
こう来たらこうする!みたいなことを延々と稽古するのもいいけれど、相手がどう来ようが何とか対応する心身をつくる方が、より本質的で間違いが少ない。
これは何も武術だけの話ではない。健康のことについてもまったく同じ。
普段から短い距離でもクルマに乗り、運動もせずコンビニ弁当とかカップ麺主食にして安い缶チューハイ飲んでいるご仁が、今さら慌てて納豆を食べて免疫力云々などとぬかすのは、上記のうわっ面の稽古と同じ。まさしく「局部の方法」の最たるものだ。
とは言え力を奮い起こすことを知らねば、何か不安要素が発現するたびに、浮足立って無様をさらすことになる。
新しい情報を聞いたら何も考えずに飛びついて右往左往するのはそろそろやめて、人間の心身の在り方について考察・体現して行く方がいいと、ワシは考えるねぇ。
日常でのモノの見かた、考え方から本質に迫るクセをつけたいものだ。
太氣拳尚武館は、太氣至誠拳法(通称・太氣拳)を学ぶ武術・武道の道場です。武道初心者はもちろんのこと、武術・武道・格闘技で伸び悩んでおられる中級者以上の方も歓迎いたします。また、護身・健身(健康づくり)目的の方の参加もお待ちしております。稽古会場:小山市・栃木市・宇都宮市・上三川町。神戸市(支部)詳細は:http://taikiken-tochigi.jp/practice/
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中国拳法の流れを汲む武術。創始者・澤井健一が立禅と命名した「ただ立つだけ」の独特の鍛練法を核とする。
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3/22(日)開催、基盤力を練り上げる~太氣拳講習会 in 神戸
下記要領にて太氣拳の講習会と開催いたします
1.日時:2020/03/22(日) 9:15~11:45
(9:00開場、12:00完全撤収)
2.会場:風の郷公園(屋外)
神戸市灘区六甲町2丁目4番25号
※待ち合わせ場所:公園内風の家入り口前
風の家について:http://w1.alpha-web.ne.jp/~kazenoie/
※急遽22日が臨時閉館となったため今回は屋外での開催です(雨天中止)
3.参加費用:6,000円
今回も"Buy one get one free" 形式を採用致します。つまり、あなたが講習に参加される際、ご新規の参加者さま(初参加の方)をお一人お連れ頂いた場合、お一人分は無料。3名さま(初参加の2名さまをご同道)ならお2人分の参加費で受講出来ます。
参加費はまとめてお振込みください(当日会場にて割り勘で、は受付けません)。
・お申込み後、参加費用振込先のお振込を以て申込完了となります
申込フォーム:http://my.formman.com/form/pc/AntTny9AIWHChfRQ/
お振込先:三井住友銀行小山支店 普通口座 4088542 シマムラ ナオタケ
4.講習内容
初回の参加者さまには資料を配布します
1)立禅で探る心身の基盤力
・身体各部の「力」とその調和を探る
・立禅の実践~力強い「動」のための「相対的静」を体認する
・力の回路を認識し、強化する(求力~勁力を得るための腰腹・下肢の覚醒)
2)動功&対練・・・基盤力の運用を学ぶ
・這(はい)~歩法・身法の土台を練る
・練(ねり)~臨機応変の身体を練る
・歩法・身法・前捌き~単独および相対練習により、対人技法の基礎を学びます
※2~4月のテーマ:対手を封殺する「続飯付け」
接近戦に持ち込むための、位取り・手法・手形、接近してからの封殺法を学びます
木刀を用いた当館オリジナルの練功法をお伝えします
2月の神戸講習会備忘録:http://superbody.hatenablog.com/entry/2020/02/26/003516
5.講師:島村尚武(太氣至誠拳法練士五段)
6.こんな方におススメです
・年齢や体力が理由で現役続行を迷っている方
・組手で思うように身体が動かないとお悩みの方
・武道や格闘技に取り組んでいて上達に壁を感じる方
・生涯現役で武道に取り組みたい方
7.おススメ出来ない方
・現状維持が好きな人
・被害者意識や依存心が強い人
・いわゆる「物見遊山気分」が強い人
8.お持ちいただくモノ
運動しやすい服装、木刀、筆記用具、飲料水、タオル、軍手
※アクセサリー類および付け爪は外して御参加下さい
※木刀の予備は限りがありますので、極力持参ください
9.その他
1)録音および動画の撮影は禁止といたします
2)会場にてDVD教材の販売を致します
・販売するアイテムは下記3本です(すべて当日手渡し価格¥6,000)
『一人稽古立禅編 Ver.2』・・・立禅を武の栄養とするべく徹底解説した教材
立禅編ダイジェスト動画:https://youtu.be/yxorCrKF8e4
『太氣拳早わかり 一人稽古演習編』・・・中級クラスまでの技法を解説した教材
・会場販売は消費税分が割引。また送料・振込代がかからないため、お得です
3)レジュメを配布し、理論的な説明を行いながら進めます。筆記用具持参下さい
4)終了後、近隣で懇親会を行います(希望者。実費精算)
また逢う日まで!!(少年部最終稽古)
2月29日(土)は少年部(護身空手道)の最後の稽古でした。
門人のIさんの紹介で2016年6月にみえたAさんご一家の兄弟に「護身空手道」という態で指導をしていました。護身空手道のクラスは、途中、大人の方が数名みえましたが、結局のところ続いたのは、この兄弟だけでした。
お父さんのお仕事の関係で送迎が出来なくなる、ということでこの日を最後に4年弱の指導をいったん、終了といたしました。
三人きょうだいの真ん中の男の子が空手やりたい、ということで体験に来て、三人とも入門してくれて、素直に取り組んでくれました。
指導方針としては実技としては護身と体育、そして礼法や所作を整える、ということを主眼においていました。なにより武道の入り口を楽しんでもらいたい、自分の可能性を探求する心を養ってもらいたい、という思いで取り組み、ある程度それは達成できたのではないか、と思います。
私の武道は空手道から始まり、古流武術・ボクシング、そして最終的に太氣拳にたどり着いていまに至っています。空手道の経験があるからこそ、お伝え出来ることも実は多々あり、そこを含めてこの兄弟には将来的には伝えていきたい、と考えてもおりました。
最後の稽古は、その場基本、移動基本、ミット、組手、そして太極初段~ピンアン五段までを一気に行いました。
このご一家、きょうだいに関われたことは、私にとって宝物です。いつかまた出会える日が来るように感じています。その時には「この先生に習っていたんだ!」と誇りに思っていただける存在になっていたい、と思います。
私の元に通ってくれてありがとう!また逢う日まで!
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<太氣拳とは>
中国拳法の流れを汲む武術。創始者・澤井健一が立禅と命名した「ただ立つだけ」の独特の鍛練法を核とする。
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崩導大阪セミナーに参加しました
神戸での太氣拳セミナー終了後に大阪に移動。武友の川嶋佑先生が開催された「崩導セミナー」にお招きいただき、参加して参りました。
内容は、一言でいうと「奥義」(by 川嶋先生)です。
崩導セミナーについて(川嶋先生ブログ):https://ameblo.jp/karatedokoshinkai/entry-12577318231.html?fbclid=IwAR2HcTLEeXxDrBqzqXk-ks8UpskZJ_8ZPLNSs2NQIyjwY0ICkhLDFkXqq8A
なお、崩導(ほうどう)とは川嶋先生が提唱されている武の新しい流儀、もしくはアプローチです。
島村のセミナーに参加された方も、二人みえていました。ダブルヘッダーですね。正直なところ、私は色々なセミナー・講習会を掛け持ちで受けることには、基本的にあまり賛同できません。基本的に、と申し上げたのは、複数受けることで同じ事象を異なる角度からの視点を持てるケースがあるからです。そして、今回のダブルヘッダーは後者の良い効果もたらす掛け持ちです。
一例でいうと、島村のセミナーでさらっとお話ししたことを、川嶋先生は「本拳」という概念を通して非常に丁寧に解説されました。
私は「本拳」という概念を、川嶋先生のYouTube観た門人さんから聞いて、大体のことを予想していました。実際にお話を伺い実技拝見して非常に腑に落ちるものがあり、また、私よりも分かり易い説明されている部分もあると感じました。
ですので、私のセミナーと崩導のセミナーの双方に参加された方は、得るものが大きかっただろうと思います。
たった一回のセミナーで崩導を知り尽くすことなどできるわけはありませんが、伝承の過程で生じたミッシングリンクに迫る方向性を感じました。
セミナー終了後は、会場近くのコメダ珈琲店にて3時間近く盛り上がり解散。有意義な一日でした!お招きいただいた川嶋先生に、改めて御礼申し上げます。
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2/23(日)太氣拳神戸講習会、無事終了しました(テーマ:続飯付け)
今回のセミナーでは「続飯付け」をテーマにお伝えしました。
続飯付け(そくいづけ)とは、剣術でしばしば用いられる言葉。コトバンクによれば・・・
続飯でくっつけること。また、続飯でくっつけたように、ぴったりくっついてはなれないこと。そこいづけ。
・・・ということだそうで、ここでは、相手に接近し張り付き、封殺するための考え方と身体操作、戦術・戦略についてここでは「続飯付け」と称します。
打撃格闘技ではいわゆる中間距離に身を置いての打ち合いが主となりますが、この状態は体格・リーチ・パワー・スピードなどに勝るものが優位に立ちます(多くの格闘技でウェイト制が導入されている所以でもあります)。
したがい、上述の要素において劣るものが戦いから生還するには、全力で逃げるか、あるいは相手が力を出しづらい状況に持ち込むか、の二者択一を迫られることになります。
後者の選択をする際の戦術の一つとして、「続飯付け」があります。
~お伝えしたコンテンツの概要~
1, 立禅の簡単な復習
中正・不偏不倚 − 偏らず、寄りかからず
力が自然に出る態勢
2, 小手先力の錬成 - 手の内、足の内
労宮・湧泉とコアをつなぐ感覚
3, 肩架を活かした打拳 − 橫拳、鉆拳
左右の上肢がワンユニットになる
※ボクシングのようなガードにならない
※ユニットとして使うことで掴み・抑えに展開
4, 相対練習 - 割り込んでの位取り
1) 正面から相手の構えを両手で内側から割る
手の甲側で接触。刀身感覚
2) 正面からぶつかり、ナナメに入る
奥の手を殺し、開き足⇒送り足(ケンカ四つとなる)
5, 木剣の練功
1) 正面からの前後振り
立位と蹲踞にて
・三角矩
・合谷を峰に合わせる(斬り手)
2) 二人組
・正中線を制しながら刃を左右に
・体入れ替えて前進後退
6, ふたたび相対練習
0) まずは単独で内回しの練り(猫洗顔試力)
1) 推手の態勢からの粘り感覚の養成
2) 抑えと打拳
たぶん、太氣拳でこのような視点でセミナー行った方はいなかったのではないかな、と考えています。接近しての技法、というと推手を思い浮かべる人が多いでしょうが、推手で培った前捌きが活きる位置に入り込む手掛かりを、きちんと理を踏まえて教えているかどうか、ということです。
相手に割り込むための接触点となる手は、木剣を用いた練功で作ると効果的です。
掌中に生じる螺旋感覚とその形状を以て、対手の城壁=構えに割り込む糸口とします。
また峰と合谷を常に合わせることで、堅牢な骨格構造が作れます。
今回は太氣拳が内包する日本剣術的な要素を、外部の方には初めてお伝えしました(あくまでも剣術的要素で、剣術そのものではありません)。次回も同じテーマで掘り下げて参ります。形意拳的要素にも触れられれば、と考えています。
次回の神戸セミナーは、3/22(日)です
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武術・武道と学問 -その1
皆さん、学問は好きですか?こう聞くと「いやぁ~学問なんてガラじゃないし」「お勉強は、ちょっとねぇ」という答えが返ってくることが、多い。
学問=お勉強、という図式が何となくでき上がっているかのようだ。で、この図式、正しいのだろうか?どう思います?学問とは、お勉強のことですかね?
少し前に中国語のできる方から「勉強」の意味を聞いたら、どうやらいやいや行うというニュアンスを含む言葉であるそうだ。
ためしにWeblioで引いてみると中国語で勉強とは「(一定のことをするのに)不承不承である,気乗りがしない,しぶしぶである」という意味をもつ単語。まさに上述の「お勉強」のことではないですか。
で、学問とはどうかといえば、Wikipedia によれば「学問(がくもん)とは、一定の理論に基づいて体系化された知識と方法であり、哲学や歴史学、心理学や言語学などの人文科学、政治学や法律学などの社会科学、物理学や化学などの自然科学などの総称」だそうである。
一般論としてはまぁ、それでいいのかもしれません。もう少し掘り下げると、はじめから「一定の理論に基づいて体系化された」のではなく、(それぞれの学問が取り組む)対象に深く分け入って考察してその構造を解き明かしていく過程で、法則性が見いだされて理論として抽象化された、というのが正しいのではないか、と思います。理論が先にあったのでは、ない。
もちろん、現代を生きる我々は先達が解明した知識と方法を土台にして考察しているわけですが、大切なことは対象を観察・研究して知識を得るだけではなく、原理・原則、法則性、構造を究明していくことです。つまり、本質・真理を究明することが学問なのであって、ある分野をよく知っているというだけでは、物知りかせいぜいよく言って研究者。学者ではない。
さて、真理の探究ということになるとこれは面白いと思うのです。食べ物や異性の好みみたいな、いわば個人の思い込みレベルのものではない。真理とは物事の仕組みに基づくものなので、同じ対象であれば応用が利くわけです。
例えば自動車の仕組みを知り尽くした人であれば、初めて遭遇する故障やトラブルでも、それをリカバリーするための方法を、独力で見つけ出すことが出来る可能性がある。それは仕組みがわかっているため、何が問題なのか?を事象の根本にさかのぼって考えることができるからです。
一方で試験勉強とはどういうものか。試験において点数をとるための勉強が試験勉強です。何を当たり前のことを言っているんだ?と思われるでしょう。どういうことなのかと言えば、出題範囲が決まっている試験というものにおいてよい点数をとるための勉強が、試験勉強。
この「出題範囲が決まっている」というところが、キーです。出題範囲が決まっているからこそ、その範囲であらかじめ勉強しておけば100点満点が可能です。
よく「学校で学んだことなんか社会に出て何の役にも立たなかった」という方がいらっしゃいますが、それはそうです。試験のための勉強ばっかりしているんだから。現実の世の中を渡っていくために求められるのは、試験に出るものを暗記して満点とることではなく、「何が問題なのか?」を見極めて、それに対して手を打てること。あるいは、問題になる前にその可能性を洗い出してリスクを抑え込むことです。
これって、競技試合と武術・武道のちがいに似ていませんか? (つづく)
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