局部の方法ではない
拳とは力を奮い起こすことである。局部の方法ではない(意拳創始者・王薌斎)
今回のCOVID-19の件で、人間の陥りやすい思考パターンなどを観察させていただいている。
稽古に参加していただいているお医者さんより、COVID-19についてお話し伺った。
医師会でも、危険度の認識については上方修正するべきという方向性である由。
例えば致死率。インフルエンザの0.1%よりは高くて、1%くらいに見積もっていると。ただし、亡くなるのは高齢者や基礎疾患を抱えた人がメインであろうとも。
特効薬は無く、対策としては免疫機能を十全に発揮できるようにして、健康を損なわぬことが基本となる。
つま、何か特定の食品や栄養素を多く摂ればいい、とかのことではない。
恐らく中学校の保健体育の教科書の要点を6〜7割押さえておけばいいのではないか、と感じる。
要は、人間の身体の機能の本質を理解して、そこに沿った活動を行っていれば良い。あとは多少はウィルスの特徴を知って、普段よりは衛生管理に気をつけるくらいか。
さて、冒頭の王薌斎老師の金言。
今の私のレベルで解釈するならば、次のようなことを語っているのではないかと思う。
「効率的かつ安全に人間の心身の力を奮い起こすことこそが、武の本質である。
こう来たらこう避ける、こう打ち返すとかの方法論は、可能性の一面を切り取ったもの(=局部の方法)である。その現象のみを追いかけても、武の本質には到達し得ない」
当時にあっても「局部の方法」をもてはやすのが、世間では主流であったのだろう。
こう来たらこうする!みたいなことを延々と稽古するのもいいけれど、相手がどう来ようが何とか対応する心身をつくる方が、より本質的で間違いが少ない。
これは何も武術だけの話ではない。健康のことについてもまったく同じ。
普段から短い距離でもクルマに乗り、運動もせずコンビニ弁当とかカップ麺主食にして安い缶チューハイ飲んでいるご仁が、今さら慌てて納豆を食べて免疫力云々などとぬかすのは、上記のうわっ面の稽古と同じ。まさしく「局部の方法」の最たるものだ。
とは言え力を奮い起こすことを知らねば、何か不安要素が発現するたびに、浮足立って無様をさらすことになる。
新しい情報を聞いたら何も考えずに飛びついて右往左往するのはそろそろやめて、人間の心身の在り方について考察・体現して行く方がいいと、ワシは考えるねぇ。
日常でのモノの見かた、考え方から本質に迫るクセをつけたいものだ。
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