2/23(日)太氣拳神戸講習会、無事終了しました(テーマ:続飯付け)
今回のセミナーでは「続飯付け」をテーマにお伝えしました。
続飯付け(そくいづけ)とは、剣術でしばしば用いられる言葉。コトバンクによれば・・・
続飯でくっつけること。また、続飯でくっつけたように、ぴったりくっついてはなれないこと。そこいづけ。
・・・ということだそうで、ここでは、相手に接近し張り付き、封殺するための考え方と身体操作、戦術・戦略についてここでは「続飯付け」と称します。
打撃格闘技ではいわゆる中間距離に身を置いての打ち合いが主となりますが、この状態は体格・リーチ・パワー・スピードなどに勝るものが優位に立ちます(多くの格闘技でウェイト制が導入されている所以でもあります)。
したがい、上述の要素において劣るものが戦いから生還するには、全力で逃げるか、あるいは相手が力を出しづらい状況に持ち込むか、の二者択一を迫られることになります。
後者の選択をする際の戦術の一つとして、「続飯付け」があります。
~お伝えしたコンテンツの概要~
1, 立禅の簡単な復習
中正・不偏不倚 − 偏らず、寄りかからず
力が自然に出る態勢
2, 小手先力の錬成 - 手の内、足の内
労宮・湧泉とコアをつなぐ感覚
3, 肩架を活かした打拳 − 橫拳、鉆拳
左右の上肢がワンユニットになる
※ボクシングのようなガードにならない
※ユニットとして使うことで掴み・抑えに展開
4, 相対練習 - 割り込んでの位取り
1) 正面から相手の構えを両手で内側から割る
手の甲側で接触。刀身感覚
2) 正面からぶつかり、ナナメに入る
奥の手を殺し、開き足⇒送り足(ケンカ四つとなる)
5, 木剣の練功
1) 正面からの前後振り
立位と蹲踞にて
・三角矩
・合谷を峰に合わせる(斬り手)
2) 二人組
・正中線を制しながら刃を左右に
・体入れ替えて前進後退
6, ふたたび相対練習
0) まずは単独で内回しの練り(猫洗顔試力)
1) 推手の態勢からの粘り感覚の養成
2) 抑えと打拳
たぶん、太氣拳でこのような視点でセミナー行った方はいなかったのではないかな、と考えています。接近しての技法、というと推手を思い浮かべる人が多いでしょうが、推手で培った前捌きが活きる位置に入り込む手掛かりを、きちんと理を踏まえて教えているかどうか、ということです。
相手に割り込むための接触点となる手は、木剣を用いた練功で作ると効果的です。
掌中に生じる螺旋感覚とその形状を以て、対手の城壁=構えに割り込む糸口とします。
また峰と合谷を常に合わせることで、堅牢な骨格構造が作れます。
今回は太氣拳が内包する日本剣術的な要素を、外部の方には初めてお伝えしました(あくまでも剣術的要素で、剣術そのものではありません)。次回も同じテーマで掘り下げて参ります。形意拳的要素にも触れられれば、と考えています。
次回の神戸セミナーは、3/22(日)です
太氣拳尚武館は、太氣至誠拳法(通称・太氣拳)を学ぶ武術・武道の道場です。武道初心者はもちろんのこと、武術・武道・格闘技で伸び悩んでおられる中級者以上の方も歓迎いたします。また、護身・健身(健康づくり)目的の方の参加もお待ちしております。稽古会場:小山市・栃木市・宇都宮市・上三川町。神戸市(支部)詳細は:http://taikiken-tochigi.jp/practice/
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<太氣拳とは>
中国拳法の流れを汲む武術。創始者・澤井健一が立禅と命名した「ただ立つだけ」の独特の鍛練法を核とする。
☆太氣拳とは(詳細版):http://taikiken-tochigi.jp/taikiken/
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