我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

幸せの亀さん〜その2


幸せの亀さんの話し、つづくよ。

娘が通っているのは農業高校。地域で一番偏差値が低いらしい。いわゆる地域一番校!(意味が違う?)

進路選択に当たっては娘の意志に任せたのだが、ここでひと悶着あった。級友から「あんなところへ行ったら、進学・就職すべてアウト。人生終わり」という意味のことを言われたのだとか。

なにしろ娘が合格確実と言われた高校だから、偏差値高いわけがないんだ(笑)。

かと言って、あいつの成績で普通科行ってもバカダ大学しか入れない。俺たちの頃ならいざ知らず、きょう日バカダ大学行くっていうのは学費の無駄遣いだね。

学費に見合う就職なんか出来ないよ。くだらないテニスサークルで遊びを覚えてあほな彼氏作るだけ!


で、大学はともかく、何をやりたいか。どう生きれば自分がハッピーになれるかが大事だろ。

早速年休とって家内と農業高校を見学に行った。仕事の納期なんかより、娘の進路が大事だからな。


行ってみてびっくり。敷地は広大だわ、自然が豊かで四季の彩りがあるわ。部活をやっている生徒さんだってきちんと挨拶できる。

そりゃまぁ、偏差値だけで高校を選ばざるを得ない子はその限りではないかも知れないが、生命と接して大地と対話して学ぶ生活って良いと思ったよ。


家に帰って娘にそのことを伝えると、「農業高校を第一志望にする」と力強い答え。

結局娘は、彼女には難しいと言われた私学と農業高校の両方に受かって、その上で農業高校に行くことにした。


普通の親だったら、同じ状況なら大学進学率も高い私学を選ばせるだろうが、ウチは子供の意向を尊重したわけ。

これが正解だった!もちろん、結果オーライの話じゃないよ。十分な勝算をもって娘の好きにさせたんだよ。

偏差値っつうゴーグルの中の光景ではなく、俺は後ろにも目ぇ付いていっからさ、幸せ亀さんの位置が感知出来ちゃうんだよな。


次回へつづきますよ!