我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

地稽古ノススメ

先日の馬場での稽古において、高木塾長が「澤井先生の手の利きの根底に剣道の経験があるのでは」、とのコメントをされた。

私も同感だ。得物を稽古することで、手は鍛えられる。

いままで色々な武術の経験者に触れた。体術における手の利きは太気がずば抜けていると感じるが、やはり、得物を持った際の利きは剣道家が一枚上手だろう。

武術において手が利くようになるには、『拳聖』にあるように地(歩)と人(手の制空権)が調和することが大事であるが、剣道において私はそこが甘い。

握りの位置を自由に変えられる杖や棍ならば、体術家にとっても地と人があわせ易いのであるが。

なにしろ貴重な勉強をさせていただいている。

閑話休題

私の狭い経験であるが、地稽古をやらない武術を学ぶ者の中には、剣道・柔道・空手道といった近代武道を下に見る発言をする者が散見される。

その論拠のひとつに近代武道は競技化されていてルール外の攻撃に対して云々・・・というのがあるが、全く以って笑止千万だね。

大体、その手の人間で柔道・剣道・空手道の選手と同じ身体能力を持ち、同等の修練を積む人間がどれだけいるんだってーの!

それと「近代武道は加齢による衰えがどうとか」っていう批判もあるけれど、大体、地稽古やらない稽古人のほうが年寄りくさいやつが多いだろ?

よく話題に上げる佐藤哲通教士なんて、還暦近くで毎日4,000回素振りをされている。お前ら、やってみろって。

恥ずかしながら、昔、工事現場で鉄パイプ持って喧嘩したことあるけれど、佐藤教士みたいな方とやっていたら、殺されていたよ。

佐藤教士の最近の試合動画を貼ってやるから、その濁った目ん球見開いてじっくり観てみやがれ!

http://www.youtube.com/watch?v=7U1thwF8KzI&feature=channel
(上段の選手が佐藤教士)

こういう人と一度でも地稽古やってみろって。話はそれからだ。