我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

背負っているもの−2

勝利者インタビュー


以前当ブログにて9/29付けで『背負っているもの』という題で書かせて頂いた知人、ヨネクラジム所属のプロボクサー嶋田雄大さんの試合に行って来ました。

嶋田さんの11月20日時点での世界ランキングはWBCライト級14位、WBAスーパーフェザー級8位。15位以上が世界への挑戦権がある、とのことなので、世界タイトルマッチが射程圏内となった状態。

非公式ブログにも書いたとおり、結果は3R2分27秒にてのノックアウト勝利!右の豪打がカウンターで炸裂し、レフェリーがカウントを取らずにストップするほどの完璧なKO劇!

実は事前に米倉会長&本人に、試合前に控え室に伺うことを承諾得ていましたが、10年ぶりの再会でもあり今回は控え室入り前の挨拶だけに留めました。

頃合を見て声をかける。「覚えていますよ!一目で分かりました。今日は見ていてくださいよ。集中して決めますから!」と力強く語る嶋田選手とガッチリ握手。

36歳という年齢を感じさせない肉体、そして強靭な意志とそれをカタチに出来る技術力。10年前より確実に進歩した姿があった。

好試合が続き、いよいよセミファイナル。永ちゃんの『風の中のお前』にのって嶋田選手が花道に登場!

慎重に動きを確かめるような出だしから、少し試合が動き出した矢先にカウンターの右。誰が見ても立って来ないと分かる倒れ方で、対戦者が崩れ落ちる。完璧なKO勝利だった。会場は興奮の渦に包まれた。

試合後のインタビューでの言葉を思いつくまま。

「今日11月20日は僕にとって特別な日です。3年前の今日、日本タイトルを返上し、世界に照準を合わせました」

「石の上にも3年、と言いますが、世界戦が中々決まらず心が折れそうになることもありました。自分の為に世界を取りたいですが、それ以上に会場に来て応援してくれる皆さんの為にも、世界を取りたい」

「世界に挑む時は、世界を取る時。やるかやられるかの真剣勝負ですから」

初めて会った11年前にも彼は言っていた。「見ていてください。俺はボクシング界に名を残す男になりますから!」

あともう少し。みんなの思いを背負って歩んできた道が、世界に届く日がきっと来る事だろう。がんばれ!