我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

通信講座のテキスト

いきなりであるが、太気拳の通信講座は本当にスゴイ教材であると改めて思う。最近、
ある武道家のブログを読んだのだが、人の動きについて非常に鋭い本質を突いた発言をされており、これこそ太気、否、武術の本質である、と感心した。

(以下カギカッコ内引用)

「身体は、無意識的にその痛みを、あるいは故障をかばう動きをする、ということだ。その無意識的な動きを、いくらコントロールしようとしても出来ない。
つまり、身体の必然としての動きであり、無意識的な動きだからだ。
この身体としての必然としての動きを、意識的に作り出そうというのが、私の教室の目的だ。それが武道の動きだからだ」

これはその武道家氏が、足を怪我された時に得られた気付きを言葉にされたものである。この先生のことは、二十年近く前からお名前だけは存じ上げている。以前はあまり気にならなかった、というか食わず嫌い的に反感を覚えていた。

しかし、この二年ほどはその動静に注目している。なぜなら、武道の本質と現代での意義について、非常に具体的で的を射た発言をされているからだ。

私はこの先生の実力は知らない。しかし、相当なところまで解明されているのは間違い無しと見てよいだろう。

この方の仰るとおり“身体としての必然としての動き”を意識的に、つまり目的を持って作り出すのが、武道の真諦である。そして太気拳は、その武道の真諦を最も端的に表現した武術の一つである。

ここが分かっていないと、何年稽古しても太気拳の入り口にすら立つことは出来まい。技云々の問題ではない。

太気拳の通信講座第五回目のテキストの高木先生通信には、その“急所”が分かり易く平易で具体的な言葉で語られている。今後の小山支部の指導では、その一番の急所について感得して頂くべく工夫して行きたい、と思う。