我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

勝負一本、出よ。合気武道への出稽古備忘録

合気は引いてはいけない。「勝負一本、出よ」と惣角先生は常々教えられた。

打とうとするところ、変わるところ、構えるところなどの間をとらえる。間で打つ、間に打つ。絶対に受けられない。

しかし単技のスピードが速くなければならないことはもちろんである。

(『合気道の奥義』所収【佐川幸義先生口伝】より)

 

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7/19(日) の太氣拳講習会終了後に、技術アドバイザーを拝命している Shin-Kobe 実戦合気護身武道(以下、神戸道場)の稽古に参加させて頂きました。
神戸道場のFacebookページ:https://www.facebook.com/kobegoshin/

柔軟体操、合気拳法、合気揚げ・下げ、手ほどきの基本と応用、一本捕りによる「先」などを安部主宰の指導の下、稽古しました。

4ヶ月ぶりの合気武道への参加でしたが、ますます本質の掘り下げが進んでいることを実感。

全体を通して感じたことは、

・先を取ること

・前へ出ること

・動作はシンプルかつ立体的に

・スピード

といったポイントを重視した組み立てになっているなぁということ。

合気系武道はさまざまな派があるようですが、神戸道場の安部孝重主宰は、武田惣角先生のお孫さんにあたる現在の宗家直系の技法を中心に、養神館系の合気道技法、そして他の武術・格闘技からの学びを取り入れて護身技を形成しています(この日は太氣拳講習会にも参加されました)。

最近は合気拳法に熱心に取り組んでいると見えて、先・速さ・シンプルさ、は其処から来ているのではないか、と感じた次第。

合気武道の技法・練功はシンプルではあるが人体の構造から出る力を精緻に運用しており、合気揚げなどはその典型例(島村のなんちゃって合気上げ炸裂!の図)

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実際の喧嘩でこのような場面はほとんどないでしょうが、人体の構造が持つ力を末端部に徹す(小手透徹力)稽古として秀逸なものです。

私見ですが、合気揚げによる小手透徹力の養成、合気拳法のシンプルな打突を磨いて、先を取る感性で入れば、身体能力に勝る相手の間を制する可能性があると思います。

合気系武道を母体とすると称する武道?が、対打撃護身技法と称して、前捌き防禦の連続動作を教えている動画を拝見したことがあります。

私はプロのボクサーやキックボクサー、空手師範など含めた打撃系の強者と何度も手を合わせています。

その経験から言うと、上述のような打撃に付き合う技法を「護身技」として教えるのは、噴飯ものとしか言えません。打撃格闘技の練達者の土俵で勝負する行為だからです。

冒頭に挙げた佐川先生の金言「間を打つ、間に打つ」に則った方法でなければ、一般人が身体能力に勝る打撃格闘技経験者を制することは不可能なのです。

神戸道場の稽古は、少なくともその原則に則った進め方を志向されていることと拝察しました。

今回稽古に参加させていただいたお礼代わりに、太氣拳式の「間を打つ、間に打つ」技法をお伝えしておきました。

またお会いして、学ばせていただける日を楽しみにしております(^^)

 

  太氣拳尚武館は、太氣至誠拳法(通称・太氣拳)を学ぶ武術・武道の道場です。武道初心者はもちろんのこと、武術・武道・格闘技で伸び悩んでおられる中級者以上の方も歓迎いたします。また、護身・健身(健康づくり)目的の方の参加もお待ちしております。稽古会場:小山市栃木市宇都宮市上三川町。神戸市(支部)詳細は:http://taikiken-tochigi.jp/practice/

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太氣拳とは>

 中国拳法の流れを汲む武術。創始者澤井健一が立禅と命名した「ただ立つだけ」の独特の鍛練法を核とする。

太氣拳とは(詳細版):http://taikiken-tochigi.jp/taikiken/

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