Cut off the ring 〜バイオレンスとサイエンス
カギは、バイオレンスとサイエンスの融合にあり！！
嫁のFacebook投稿で、ワシがゴキブリちゃん（以下、Ｇと称す）をデコピンで仕留めた話しが、意外な盛り上がりをみせたので、備忘録的にチョット書いておこう。
皆さまから「動きが早いＧを仕留めた技術がすごい」とお褒めを賜ったわけですが、少々のコツと普通の成人男子の指の力があれば十分。
ワシがＧを仕留める時のコツはボクシングでいうところの「Cut off the ring」。これ、リングの空間を刈り込むように動いて、相手の逃げ場を無くすテクニック・戦術ですな。
Ｇは素早く動くから、いきなり狙って当てるのは効率が悪い。そうじゃなくて、Ｇの目線と同じ高さに手を持っていって反応させて、ドンドン行く手を阻む。いわゆる後出しジャンケン。
スピードは遅くて良いから確実に追い込み、壁を背負わせてから、落ち着いて必殺の一撃を繰り出す！！それだけ！！デコピンで打たれ、壁にも激突したＧはひっくり返るよ。そこを、ゆっくりと捕獲してトイレにながして終わり！！
動きまわるヤツを仕留めるには、最初からパンチ打ってもダメですわ。先ず行く手を阻む。逃げたらまた阻む。その繰り返しなんだが、コツは追い回す角度。それが出来れば、雪隠詰めに出来る。
Cut off the ring の名手は、ワシ的にはなんと言っても全盛期のマイク・タイソン。現役選手ではゲンナジー・ゴロフキン。彼らの強さは、パンチ力だけではない。パンチがどんだけ凄くても、当たらないモンは話しにならんでしょ。彼らはパンチを当てる為の「下ごしらえ」が卓越しています。
写真はVSラリー・ホームズの一戦。リーチに勝るラリー・ホームズがジャブ出して突き放すと、タイソンはジャブ殺しのハメ手を繰り出す。で、ホームズさんはサークリングという「愚かな動き」をせざるを得なくなって、Cut off される、と（基本的にサークリングは、刈り取る歩法が出来る相手にはカモさんです）。
背が小さいタイソンが何故、大男を追い回すことが出来るのかってことです。タイソンのボクシングは、バイオレンスとサイエンスの融合ですな。気になる方は、是非、youtubeでタイソン氏の動画をご覧くださいね。
Ｇ退治がきっかけのネタではありますが・・・内容的には結構核心突いたお話です。
武術の場合ボクシングとは違って、打拳は選択肢の一つ。これは相手の攻撃にも言えることで、相手は必ずしも殴ってくるわけではない。だから、前捌き（手の動き）・体捌き（身法）・足捌き（歩法）が常に一体となって、それでいて一本調子にならない（＝特定の何かに対する想定では無い）、ということが求められる。したがって、相手の行く手をCut offするという行動は同じでも、具体的な身遣いは変わってくる。相手にとっては不規則で読みにくく、しかも、自分的には平仄（ひょうそく）が合っている、という非常に調子いいことを実践する必要がある。それが出来て初めて、未知の相手の前に立てる。すなわち、護身術として役に立ち得るわけです
歩法・身法・前捌きが出来れば、相手の土俵に上らず殴り合いをせずに場をコントロールすることが、可能です。
その具体的な技術とそれを培う練習方法は、稽古会でお伝えしています（＾−＾）
太氣拳尚武館は、太氣至誠拳法（通称・太氣拳）を学ぶ武術・武道の道場です。武道初心者はもちろんのこと、武術・武道・格闘技で伸び悩んでおられる中級者以上の方も歓迎いたします。また、護身・健身（健康づくり）目的の方の参加もお待ちしております。稽古会場：小山市・栃木市・宇都宮市・上三川町。詳細は：http://taikiken-tochigi.jp/practice/
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＜太氣拳とは＞
中国拳法の流れを汲む武術。創始者・澤井健一が立禅と命名した「ただ立つだけ」の独特の鍛練法を核とする。
