我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

良い加減 〜その2

昨夕の“ゆったりお風呂”が効いたのか、下肢のだるさはだいぶ引いているが、なにしろ無理は禁物。

念のため支部稽古前の朝稽古はお休みして、ストレッチと筋感覚のトレーニングだけを行って体調を整える。

皆との稽古でも、とりあえずは中庸の動きで普通に行えることを確認して少しずつ調子を戻してゆく。


思ったよりも調子がいいので、組手でも、などという気持ちがムクムクと湧いてきたが、ここは抑える。30歳代までの私なら、確実にここで組手をやるだろう。そして、おそらくはある一定の確率で怪我をする(笑)。

何度かの失敗を経て自分に出来ることと出来ない事、あるいは出来てもやってはいけないこと・・・などが少し分かってきた。「良い加減」というものが30年ほども此の世界に携わってようやく“体得”出来てきた、というところか。


量・肉体・非日常の稽古に徹底してこだわった時期があるが、最近は質・感性・日常の稽古という面が出てきた。あるいは両者の境目が少しずつ消えてきた、とでもいうべきか。

前者へのこだわりがあればこそ、そこに留まらずに後者との境目が無くなってきた、と言えるかもしれない。

強靭な肉体を練り技術を培うために日常から切り離して鍛錬時間をつくるという、いわば“表”の稽古だけで武道が成り立つわけではない。表の稽古を充分にやり込むことは大前提であるが、こういう稽古だけで創った心身は時として“脆い”場合がある。


そういえば作刀において「鋼は鍛えすぎると疲れてくる」という表現を聞いたことがある。硬さと粘りを両立させることは、刀工にとって大変な修業を要することらしい。

人間の身体とて同じで、疲れてきたらいくら根性を出したって、いや根性を出せば出すほど脆くなることすらありうる。

またぞろ作刀の話をすれば、刀身に“焼き”を入れた後にもう一度火入れして“落ち着かせる”作業が必要だという。


私も“疲れすぎた”ときは“落ち着かせる”作業をする。ゆっくりと風呂に浸かったり、漫画喫茶でボケっとするのもいい。

今週末はどうしたかっていうと、美味しい珈琲を頂いてきました。


茨城県サザコーヒーさん↓

2年連続で世界一の高値で取引されたというパナマエスメラルダ農園の“ゲイシャ”。せっかくの機会ですので飲んでみました。超絶品!でありました♪


地元小山市の音楽館にて。カフェ・ウィンナ。


こちらも、いつも安定した本当に良い味を提供してくれます。
客を大事にしてくれる良いお店でゆっくりすると、稽古意欲が湧いてきますな。


少しずつ復調して行きますヨ!良い加減で、ね。



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