我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

体・技・心

太気拳を始めたばかりの頃、高木先生に伺った話がある。曰く「世間で言う心・技・体って、出来上がる順序は逆なんだ。体・技・心の順番で出来るんですよ」と。

ふ〜ん。と聞き流していた。しかし、思い当たる節がある。それは・・・一度だけ出た散打の試合で苦汁を舐めたことです。2001年の5月でした。

結果は1勝1敗(1KO勝ち)でした。結果はともかく、動こうとしても動けないことがある、ということを身を以て体験しました。バランスが目茶目茶で何しろ動けない。なにしろ体と技がかみ合わないのです。

太気を始めた頃の私は、空手その他で得た動きを全て一回棚上げして、太気拳の動き方の習得に努めていました。いわばモデルチェンジです。その結果が出始めたのは、同年の7月末の稽古からでした。

個人的にはそこからはあまりスランプの波も無く、今に至ります。強い弱いは別にして、その時期(2001年7月末)から以降は、打つにしろ打たれるにしろ、確信を持って組手が出来るようになりました。身体が、一応出来始めたのでしょう。

そうすると不思議なもので、心もどんどん充実しました。出来るようになって、初めて心が安定するのですね。納得です。