我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

養生の立禅

昨日5/21(土)、情報発信型お煎餅カフェ『日升庵』さんプロデュースで『筑波山で立禅を学ぶ会』が開催されました。家内が講師を務めて養生の面に重点を置いた立禅をお伝えしました。
家内のブログです:http://ameblo.jp/mamadance/

今回は地元の茨城県だけではなく、千葉・埼玉、そしてなんと奈良県!からの参加もあり、8名の方と立禅の実技・座学を学びました。

日升庵さんに集合して簡単な自己紹介と説明の後、筑波山の「秘密の場所」に移動して準備運動から丁寧にお伝えしました。
<内容>
・背骨のストレッチ
スワイショウ
・立禅
・座学(日升庵さんにて)

中国の意拳でも年齢や取り組みの方向性で、技撃班・養生班という分け方をするようです。王薌斎先生ご自身、晩年は養生の方面で站樁=立禅を広く指導され、特に慢性病の治癒において著効を上げられたと伺っています。
しかしながら日本の太氣拳においては(私もかつてそうだったのですが)、そのような取り組みにはあまり力を入れていなかったように思います。どことなく「養生班=おマメちゃん」 というイメージで捉えているように思えます(あくまで私の印象ではありますが)。

どこかで武術と養生を別物ととらえていると、「養生で学ぶ人は取り組みが甘くていいんだ」となるでしょうし、当然、伝え方もそのようなものになるのでは、と思います。

立禅は確かに健康面でも著効を発揮しますが、それはきちんと正しいやり方で取り組んだ場合です。体調を崩して養生が必要な方は「体調を崩すような心と体の遣い方」を積み重ねてきたわけですから、その状態を改善するためには、「体調がよくなる心と体の遣い方」をする必要があるわけです。したがって「え〜加減な姿勢」で立禅しても、根本的な改善は期待できにくいでしょう。
もちろん、正しい姿勢は無限にあります。私たちが学び、お伝えする形だけが唯一絶対!と言い張るつもりは毛頭ありませんし、完璧であるなどとは考えていません。しかしながら、山の頂につながる道を歩んでいるという自負はあります。頂きに至る道は数あれど「ダメなものはダメ」「成らぬものは成らぬ!」というのも事実です。
立禅は形そのものはシンプルで、取り組むこと自体は基本的に立って歩ける方ならどなたでも可能です。それだけに、?マークだらけのセンセイが残念ながらたくさん居ます*1 コイツはダメだ!というのは問題があるので「こういう先生に習うといいですよ」という基準のようなものをいくつか挙げてみますと・・・
<良い先生の条件>
・明るく健康な方
 ・・・不健康で虚弱な立禅のセンセイは論外でしょう(笑)
・所作に「勢い」を感じる方
・そこに居るだけでエネルギーを感じさせる方
・手足腰がしっかり連動して動く方
・動きのバランスが良い方
 ・・・きちんと立禅を学べば、筋骨格系・神経系の連動が改善・向上します
・きちんと明快な説明ができる方(言葉が巧み、ということに非ず)
 ・・・簡単に「エネルギー」とか「愛」とかの言葉を挙げてうやむやにするのは論外です
・生きる姿勢や発言が前向きな方
 ・・・ネガティブな指導者は「アウト」ですね

まだまだ色々とあると思いますが、要は「指導者自身がきちんと体現できていること」が大事ですね。せいぜいが「知っている」「聞いたことある」というレベルなのに、立禅にヘンテコなスピリチュアル系の「化粧まわし」をつけて教えているセンセイがゴロゴロいます。立禅は正しく行えば著効がある修養ですが、怪しげな加持祈祷の類ではありません。現代の科学的知識・常識で説明できない現象もあるにはあるでしょうが、科学的説明がつくものはなるべく根拠に基づく説明をするべきでしょう。科学的認識の範囲を超えることについては触らぬ神に祟り(たたり)なし、とだけ言っておきますかね(笑)

さて来る5/29(日)は私が『立禅基礎講座』を主宰します。こちらは、養生を当然に含み、そのうえで武的な効果をもたらす立禅のメソッドについてお伝えして行きます。
関連記事:http://d.hatena.ne.jp/superbody/20160529/1462363989

習いに来てくださる方々に誠を尽くす、という気持ちを常に大事にして取り組んでいこうと思います。



太氣拳尚武館は、太氣至誠拳法(通称・太氣拳)を学ぶ武術・武道の道場です。武道初心者はもちろんのこと、武術・武道・格闘技で伸び悩んでおられる中級者以上の方も歓迎いたします。また、護身・健身(健康づくり)目的の方の参加もお待ちしております。稽古会場:小山市栃木市宇都宮市上三川町詳細は:http://taikiken-tochigi.jp/practice/
太氣拳合宿・講習会・DVD教材のお申込みはコチラ(カート機能):http://taikishimamura.cart.fc2.com/

太氣拳とは>
 中国拳法の流れを汲む武術。創始者澤井健一が立禅と命名した「ただ立つだけ」の独特の鍛練法を核とする。

太氣拳とは(詳細版):http://taikiken-tochigi.jp/taikiken/

☆お問合せはこちらhttp://my.formman.com/form/pc/AntTny9AIWHChfRQ/

*1:+_+