我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

意気に感ず


合宿の行き帰りはドイツ人塾生のロバートと同じ車だった。

彼とは今までゆっくりと話す機会が無かったのだが、同じ車になったことで色々な話を聞く事が出来た。


伝統的な武術を学びたくて日本に来たこと。日本に来るか中国に来るか迷った挙句、太気拳意拳に関する情報を集めて日本で太気拳を学ぶことに決めたこと、などなど。


いろいろと質問も受けたが、武術の捉え方について良いセンスをしていると感じた。武術のセンスといっても、運動神経のことではない。

このロバート、運動神経も悪い方ではないようだが、そういう瑣末なことではなく武術に関する着眼点が優れている。今さらではあるが、着眼点が悪かったら何事もモノにはならない。


武術の世界だけではないのだが、的外れなことを一生懸命やって「どうして出来ないんだろう」なんていっている方を見かけるが、スペイン語を一生懸命やっておいて、「勉強しているのに中国語が上手くならない!」って悩みを打ち明けられても答えようが無いやね(笑)。


こういう人って結局どこか手抜きこいているんだろうな。


それはさておき。


お前、いつまで日本にいるんだ?と聞いたら、「太気拳が一通り出来るようになるまで日本に居たい」との頼もしい答え。

ロバートが本当に太気拳が好きなんだということがよ〜く分かって、ワシャ、非っ常〜にうれしいね。


私の行動原理は「人生、意気に感ず」だからサ、彼の太気拳ライフでワシがヘルプできる時には、出来るだけ手伝いたいなぁと、そう思うわけよ。


日独は先の大戦でも一緒に戦った間柄でもあるし、楽しく真摯に稽古して、ともに伸びて行きたいですナ。