我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

まずは素手武術

久方ぶりに独り暮らしってやつを始めた島村であります。いや〜、二重生活って言うのは金が掛りますね(アタリマエか??)!

レ○パレ▲には簡単な家具が付いていて助かっているけれど、それでも食器類やちょっとした備品類を揃え始めると、どんどん金が飛んでゆく。たまらんね、実際!

格闘技者や武術家は身体が資本だから、インスタント食品や外食はなるべく避けたい。必然的に自炊となるわけなんだけれど、自炊するにも備品は必要になるわけで。

1人分の自炊は上手くやらないと、却って金がかかる。身体に良くって美味しい料理を、効率的かつ経済的に作ってくれていた家内には、感謝!である。

私は食いモノの味にはうるさい方だ。もちろん、人様のご厚意で御馳走して頂くモノについてはひたすら有難く頂戴するのだが、自分の金で食う時は、不味いもの出す店は口をきわめて罵る。だって、マズイ料理をつくるのって、頂戴した生命に失礼だろ?

大体、金もらって人様の口に入れるモノを作る商売やっていながら、不味いもの出すという感性が気に入らないよな!どんな商売であれ、金をもらう以上は相手に“尽くす”ってのが礼儀でしょ(あ、これは卑屈になれって云う意味じゃないので、早とちりなさらぬよう)。

武術・格闘技については、食いもの以上にうるさいですよ、私は。幸いダメな先生に就いたことが一度もないのだが、人様に教える立場にもある今、自身がダメ先生にだけはならないように気を付けている。

当たり前のことであるが、金銭を受け取って武術を教える以上、いい加減なことや嘘、ましてや妄想の類いは教えない。相手のレベルに応じて私が出来得ること・伝え得ることを精一杯誠実にお伝えする。

もちろん、妄想で捻り出した「○×流はこうやって攻略!」みたいな発言に至っては言語道断だね!まぁ、私も教材として“こういう相手にはこう攻める”的なことは口にするけれど、そういうのは全部実体験に基づいて居ますから

そんなの当たり前のど真ん中だと思うんだけれど、そうでもないみたいだね。妄想武術家さん、けっこう多いよね。実戦とか他流攻略法を謳いながら、ちょっと雲行きがヤバくなると銃器だ刃物だと言い出したりするってのは、怪しいよな。

これに、組手・地稽古を避ける、裏技のエグさをことさらに吹聴する、体育の成績が常に“2”以下、男にも女にもモテナイ・・・などが加わったら、こりゃもう君子危うきに近寄らず、だね。

大体銃器だ、刃物だって、そんなモン出した時点で社会生活がアウト!だろ?

護身を考えるなら、まずは拳法や空手、柔術など無手の体術やるべきだろうね。こっちだったら遣い方次第で「アウト!」にはならないじゃん。武器術は、体術(素手武術)の基礎の上にやる方が良いよ。

太気拳を含めてキチンとした体術を学べば、武器術の上達は早い。それと、誤解を恐れずに言えば、初めから護身目的で武器術を学ぶヤツは性格が悪いのが多いね。

おそらく、“武器を持つことによる万能感”そしてその裏返しに“武器が無いと弱い自分”というのを、潜在意識に叩きこんじゃうからなんだろうな。

もちろん、弱い自分が強い奴に勝つためには、って考えるのは大事。戦術としてはね。

でも、戦いにおいて強い弱いは相対的なものですよ。上には上が居るのは当たり前。でも、いくら上が居ようとも、強くなる努力は必要です。ガチンコの地稽古で渡り合う力は培っておいて損はない。地力をつけるからこそ自分の限界もわかるわけで、それをやらんで「そもそも実戦は」はないでしょ(笑)。

昔、運悪くこんなひとに関わっちゃったことある。隠し武器を自慢し始めたんで、それを取り上げて遠くに放って「さぁ、来い!」っつったら半ベソかいていたな。

みんなはこんな情けないヤローになっちゃ、ダメだぞ!