アラン先生との思い出
写真は、2016年にフランスのアラン・ストール師範が来日されて、日光での合宿に参加された際のものです。
アラン先生とは、2014年にFacebook経由で知り合いました。
知り合って二か月もしないうちに栃木まで私を訪ねてこられ、翌年の2015年には南仏で開催された武道セミナーに講師として招聘いただきました。
空手道・護身術・太氣拳の3種目合同で二日間開催され、その前後でのアラン先生の道場での稽古をも指導させていただき、本当に素晴らしい時間をすごさせていただきました。
2015年の南仏セミナー終了後に再来日、2016年にも来日し6月末~7月初旬に栃木に滞在されて私たちの稽古と日光合宿に参加してくださいました。
2016年の合宿から帰国された直後、バイクで移動中に追突事故の被害に遭い脊椎を損傷、生死の境をさまようことに。何とか一命は取り留めたものの、武術の実践者としての生命を絶たれてしまわれたアラン先生。
お弟子さんからのメールで、私は先生の身に降りかかった悲劇を知りました。
つい、先日まで元気で68歳(当時)という年齢を感じさせないエネルギッシュな稽古をされていたのに、フランスでの太氣拳の普及活動の夢を、熱く語っておられたのに、人生の総決算の時期を迎えようかという矢先に襲った悲劇。神様は、なんと無慈悲な仕打ちをされるのだろう。本当に、本当に悲しくなりました。
ですが、驚くべきことにアラン先生は指導を辞めなかった。電動車いすに乗って、お弟子さんの指導を再開されたことを知った私は、本当に心の底から驚いた。
自ら動いて技を示すことが出来なくなったアラン先生ですが、古いお弟子さんに支えられて、Taiki-Ken France (太氣拳フランス)という組織を結成。
事故の翌年、2017年からはご自身の代わりにお弟子さんを私の道場に派遣。お弟子さんたちは定例稽古会、そして合宿に参加されてきました。
南仏のセミナーにも毎年お声がけはいただいているのですが、なかなかお邪魔できずにいます。先方の提案している今年の前半は無理なのですが、後半に日程を調整頂けるのなら、なんとか調整を付けてお伺いできれば、と思います。
太氣拳母国の人間がわざわざ出かけるのだから、セミナー参加者が120%満足するものを提供せねばなりません。ひとつ気合入れて稽古に打ち込まねば!と燃えています。
私は太氣拳の稽古・指導に力を注ぎこむべく、2013年に勤めを辞め、アルバイトをいくつか経験して、いまは元の勤め先で派遣社員として働きながらダブルワークで道場の活動を行っています。
本当に苦労の連続ではありますが、素晴らしい方々と人間関係を築いてこられたことが、人生における何よりの宝物であると思っております。
道場の活動だけで経済が回るのにはもう少し時間が要るでしょうが、この素晴らしい稽古の世界を多くの方々に知って頂くべく、志ある方々とともに歩んで参りたいと思います。
太氣拳尚武館は、太氣至誠拳法(通称・太氣拳)を学ぶ武術・武道の道場です。武道初心者はもちろんのこと、武術・武道・格闘技で伸び悩んでおられる中級者以上の方も歓迎いたします。また、護身・健身(健康づくり)目的の方の参加もお待ちしております。稽古会場:小山市・栃木市・宇都宮市・上三川町。神戸市(支部)詳細は:http://taikiken-tochigi.jp/practice/
太氣拳DVD教材について(カート機能):http://taikidaikokudo.cart.fc2.com/
<太氣拳とは>
中国拳法の流れを汲む武術。創始者・澤井健一が立禅と命名した「ただ立つだけ」の独特の鍛練法を核とする。