我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

入り身


昨日はひさびさに水曜稽古会を開催。お盆期間中とあってか、参加者はM君のみなのでマン・ツー・マンで稽古。

せっかくなので、「質問があれば」と促したところ“相手に入る間(ま)”が分からないという。いわゆる“入り身”です。

これは・・・難しいです。長島さんじゃないけれど「球はここに来るんだから打てばいいんです」の世界だから。


入り身は確実な体捌きだけでは不可能で、体捌きプラス「未発の機」を捉える能力が不可欠となる。

中国武術の用語でいえば「聴勁」っていうヤツですか。

用語はなんでもイイのですが、自分のことだけに集中するようでは未発の機は捉えられないし、捉えたからとて自分の準備が整っていなければ、対応が出来ない。

ここで立禅で培う色々な要素が生かされるのですが、独りで行う立禅だけでは不十分で、推手だとか約束組手といった組稽古での検証が必須となる。


この組稽古で「我」が出る人は、誓ってもいいですが「未発の機」とか「聴勁」なんて一生分かりません。だって「相手の声」を聞き取る稽古なんだから。

逆に私程度の人間でも、必須要件を満たして素直に行えば多少はできるようになる。


自由組手じゃないの?と聞きたい方もいらっしゃるでしょうが、ハイ、ちがいます。そのうち備忘録を兼ねて書きますが、自由組手は大事な稽古ですが、それだけではこうした能力を養うには不十分です。

私自身は大好きな稽古なのですが、自由組手はやり方次第で毒にも薬にもなりますので、弊支部ではたまに行う程度です。


とは言え、未発の機を自由攻防の中でとらえることが出来ることを示すために、自由組手での“入り身”を見せました。

充分納得してもらったうえで、機をとらえる組稽古をたっぷり行って終了。良い稽古が出来ました!


やはりね、こういう本質的な質問が出てくるようになったというのは、とても嬉しいです。生徒達の向上に負けないように、ワシも頑張らんとイカンな!



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