我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

艦砲射撃と地上戦

昼間、新吾ちゃんからメールがあり蹴りの話題で少し遣り取り。


至誠塾にはお気づきの方も居るかも知れないが、私は蹴りはあまり出さない。もっと具体的に言うと、遠間からの大技の蹴りは、出さない。

それはリーチがない(脚が短い、ということね♪)からでもあるが、遠間からのスピードの乗った蹴りをカットされる痛みが嫌だから。頭と顔と性格が良い私であるが、困ったことには、脚が短いうえに臆病ものなのである(涙)。


生徒との組手で目を慣らすために回転系の蹴りを出す以外は、大技の蹴りは出さない。私が蹴りを出すのは、確実に入れられる時、もしくは体勢を崩すための繋ぎ技としての場合がほとんどだ。


岩間先生が、以前雑誌の取材を受けて遠間からの打撃を空爆や艦砲射撃という表現をされていた。そこで勝負がつかない場合、上陸作戦、そして地上戦へと局面が移る。


艦砲射撃は射程距離が長い方が有利であるし、同じ射程距離ならば、目方が重い方が有利である。これを黒崎健時先生は、ご著書の『必死の力・必死の心』で「貫目倍力・寸倍力」と表現されていた。

すなわち打突だけで戦うボクシングやキックは、わずかな目方やリーチの差が、時に二倍の戦力差になるということらしい。


では小柄な者は絶望的かというとさにあらず。黒崎先生は上述の話の前に「柔道や相撲と違って」という但し書きがあった。

当時純情で素直な高校生だった私は、早速二子山親方の相撲の教本と猪熊功先生の柔道教本を買い求め、研究を開始した。

一年後に黒人の空手マンとの対戦で、稚拙ながらその研究が報われる。


それはさておき。

佐藤嘉道先生は合宿の際「澤井先生も俺も、背がこれ(低い)だからヨ、まぁ乱戦は大好き。のぞむところだっぺな」とおっしゃっていた。


戦いにおいては、まずは空爆・艦砲射撃をどう凌ぐか。

やはり太気拳をやる以上は前捌きと身法・歩法だろうな。もちろん、自身が艦砲射撃をある程度身につける必要もある。

艦砲射撃を凌ぎ切り、上陸作戦に移るところで前捌き・身法・歩法を駆使して仕留める。

そこで互角なら、地上戦に進んで行って・・・ん〜、無料で書いているブログなのでこれ以降は言わないでおこう!(笑)


私自身はある程度の検証を経た方法論は備えているので、弊支部の有段者との稽古でお伝えして行きます。