我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

がんばろう!


私は『剣道日本』に連載中の“やまとの伝言(つたへごと)”というコラムが好きで、これを読むために買っているようなところがある。

今回は“がんばる”=“我を張る”という言葉を取りあげて、ただしい“がんばり”を大いにすべきであると、筆者の友常貴仁先生が述べておられた。

剣道の立合いは、剣先を通じて“心をぶつけ合う”ことが重要である、とのこと。その最中に、いなしたり、すかしたりするようでは、張り合いのない立合いである、と喝破されており、不遜ではあるが、「我が意を得たり」との思いであった。

太気拳の稽古、特に推手においては全く同じことが言える。上級者や師匠の鉄壁の構えに対して逃げずに先を掛ける。当然、通用しないのであるけれど、真っ向から挑んで崩される中で心技体を練る。

かつて「高木先生は受け流しを認めないんですよ」と私に不平を漏らした有段者が居たのだが、失礼ながら大いに笑わせて頂いた。

だって、推手を稽古する際には「まずは中心をぶつけ合え」って何度も先生から聞いていたじゃないですか。変化はその後だって!

先生の心技を学ぶために来ているのか、それとも先生を出し抜くために来ているのか、御説拝聴しようかとも思ったけれど、さすがにそれはやめた。


・・・でもさ、この有段者の話は彼がアマチュアだからまだいい。プロの武道指導者で同じようなことを言っていた御仁がいるので、こちらはもう、笑うに笑えないよな。

実は俺、そのセンセイのファンなんだけれどね♪まあ、知らない事はうかつにしたり顔で喋るなってことだね。


一昨日、いつもの通り“がんばって”先生の鉄壁の構えに挑み、ぐらぐらと揺さぶって頂きました。今日は夕刻から剣道で揺さぶってもらいに行きます。

みんな、がんばろうぜ。色々な意味でね